一通の手紙

〜てあて在宅マッサージ 福島〜


患者様は、私がどれほど励まされたか気づいていないでしょう。
公表することでお怒りになるかもしれませんが、感謝の気持ちを込めて、心してお話します。
 私の母ほどの年齢の女性は、多内臓の病気を患われており、下肢の浮腫や易疲労感、食欲減退等多岐に渡る症状に悩まれていました。
 ある日、心臓の手術の為に入院され、当初の予定を過ぎても連絡が来ず、郵便物の添え状の隅にお手紙を書きました。
「近くを通るたびに、どうしているかなと考えます。くれぐれもお体を大切にお過ごし下さい」 すると、なんとお返事を下さいました。
「こずえさん、気にかけてくれてありがとう。只今、人口呼吸器の為に声が出せず、連絡が遅くなってごめんなさい。早く良くなるように祈っててね~(ハート)代筆 夫」

私は、涙が溢れました。

まさか人工呼吸器を使用するほどの大手術に、あの注射さえ嫌がる患者様が、半年に渡るリハビリに耐え・・そして、そんな状態でもお返事を下さる優しさに。
患者様の精神力の強さに胸が熱くなりました。
母は強し…。

筆を取ることは、急かすようで失礼かと考えた、浅はかな自分を包んで下さいました。

無事に退院され「手紙を貰って涙が出たわ」と話される患者様に、 「私もです」と笑いあえる日が来たことが、本当に嬉しいです。
在宅に戻られても、急に増えた介護サービスや往診に訪看等、気が休まる時はないでしょう。
私も、少しでも疼痛を緩和出来るよう、全力を尽くします。
そして、その素敵な笑顔がずっと続きますよう、祈っています。

福島院 本田こずえ


※原文のまま