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年齢と共に、人の力の大きさとその有りようがよく見えてくる。自分の一つの行為が成立するために、いくつもの他者の力が関わっていると気づいた時、芯から感謝の気持ちが突き上げてきて、謙虚にならざるを得なかった。
その心境も暮らしぶりも、拙著「ありがとうを申します」の巻頭に記した通り、今も変わらない。
天地の恵み
若い日に素通りした最も大きいものの一つに「天の恵み・地の恵み」があったと思う。
たとえば野菜づくりで、茄子ひとつを収穫するのに、どれほど多くの知識と経験と労力を誇ってもそれは広大な天地みずからの営みの中の小事である。
しかし、光と水と土を頂き、寒暖晴雨に折り合いをつけながら積み重ねてきた先達の知恵は、学ばねばならぬ小事の中の大事である。
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▲自宅アトリエにて。この机の上から数々の季節感あふれる作品が生まれます。 |
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