2016年3月 79号不可能を可能にする力■担当マッサージ師/中央在宅マッサージ 松戸院 中原 竜二 |
▲ぼーっとしているのが嫌いで、毎日日記をつけたり、雑誌の切り抜きをしたり、机に向かっています。昨日できなかったことも、明日にはできるようになることを信じて生きています。自閉症のこだわりを持ちながら、お母さまといっしょに困難をのりこえてきました。 (後方はお母さまのTさん、隣は担当マッサージ師 中原竜二) |
ひとつずつの「できた」を励みに |
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いつも在宅マッサージを楽しみに待っていてくださるYさん。リハビリ病院に入院したときは、自立して歩くことは無理と宣告されました。そのときに、「いいえ!私が歩かせてみせます」と、お母さまのTさんは決心したのです。 立位訓練、立位交互荷重、装具を付けての歩行訓練、段差を降りる練習など、日常、家でできることは毎日欠かさずに続けてきました。いちばんつらい思いをしているご本人のYさんをやる気にさせるのもお母さまの役目。 「当初はYやろうね!と言うと、『嫌です』『やりません』と返ってきました。だから在宅マッサージの先生に協力してもらって『はい、やりましょう』って。そうするとやるんです。できたら二人で拍手して『できた、できた?』って。それの繰り返しでした」。 その地道な努力の結果、杖をつけば麻痺側の足も使って、何とか歩けるようになるまで回復してきています。 |
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ぼーっとしているのは嫌い |
▲いまでは麻痺側の足も使って、何とかかるけるようになるまで回復してきています。 | |||
Yさんは週3日、福祉作業所でシール貼り等の仕事をしています。また週3回のデイサービス、さらに在宅マッサージと忙しい毎日です。でも弱音をはいたり、休んだりすることはありません。福祉作業所からは、わずかですがお給料もいただいています。 「この前、病院の帰りに『お母さんお昼は私がごちそうします』と言って、お金をだしてくれました。泣いてしまいそうでした」。いつも前向きながんばり屋、強い精神力、人を思いやる優しい心は、母から娘へと受け継がれました。 「状況のせいにはしません。立ち上がって、望む状況を探しにいけばいい。それが生きるということだから」とTさん。 Yさんが、何よりも母から譲り受けたこと。それは、諦めない力強い生き方なのです。 |
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▲週3回、お二人の希望に応え、麻痺側を中心にさまざまなリハビリにつながるマッサージをしています。 ▼「たいへんな状況の時でも陶芸という趣味の世界があったからのりこえられました」とTさん。 |
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「できるようになったよ、お母さん。教えてくれてありがとう!」 |