2017年9月 97号泣いていちゃダメだ。笑顔でやって行こう■担当マッサージ師/てあて在宅マッサージ 相模原院 嶋村 崇 / 北浦 照佳 |
やさしい笑顔が素敵なH・Nさんは現在67歳。17年前の50歳のとき、くも膜下出血を発症しました。三か月にもおよぶ入院で危険な状態からは脱したものの、右片麻痺と構音障害という後遺症が残り、車椅子での生活になりました。体の不自由さに加え、言葉をうまく表現できないもどかしさはNさんを苦しめました。それでも下を向くことはなく、常に前向きに笑顔を絶やさずに明るく生きています。
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「病気になって17年。ここまで来られたのはみんなが支えてくれたからです。本当に感謝しています」とNさん。側にはいつも笑顔の奥様のAさん。 (本日の担当マッサージ師 嶋村崇と) |
その時は、突然にNさんは、地元で25年間クリーニング店を営んでいました。早朝、車を運転中にとつぜん具合が悪くなり、偶然にも通りかかった警察官に助けを求め、そのまま救急搬送。診断は、くも膜下出血でした。まさに働き盛りから一転、まったく先が見えない状態になりました。 「商売をしていたので二人ともどうしていいか分からなくなり…お店は兄弟にまかせて仕事は辞めてしまいました」と、当時のことを振り返ります。 そして、奥様の実家がある北海道へ引っ越しを決断。そこでお兄さまが経営しているクリーニング店を手伝いながら新しい生活がスタートしました。奥様が働いている間、Nさんは病院での機能訓練に励み、一日でも早い日常生活の復帰を目指しました。 |
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▲週2回の在宅マッサージは、筋肉が硬くなっている右腕や右膝を中心に施術をしています。「マッサージは痛みも楽になる…」とNさん。 | ||||
▲お正月に撮った家族写真。みんなの笑顔がNさんの心の支えになっています。▲お孫さんからのメッセージが頑張るパワーの源になっています。 | ||||
「ダメで元々。だからいろんなことに挑戦する。 |
▲気分転換にテレビゲームをしているというNさん。 | |||||
試練を乗り越えてそうしたNさんの努力と奥様の助けもあり、北海道から地元の神奈川県座間市に戻ってきたのは3年前のこと。ケアマネジャーさんのすすめで、在宅マッサージを始めました。その甲斐もあって、当初は、ぎこちなさがあった動作も少しずつ滑らかに動かせるようになっています。最近では旅行にも行けるまでになりました。 先日も、奥様やご兄弟と一緒に箱根に行って来られたとのこと。「皆、年老いているから、今年が最後かなと笑いながら温泉に入ったり、カラオケをしたり、よい想い出になった」と仰います。 近所にはお子さんやお孫さんもいて、娘さんが車で病院まで連れて行ってくれるとのこと。やさしい家族に囲まれながら、昨日よりも今日、今日よりも明日と、ひとつでも多くのことが出来るようリハビリに取り組んでいます。 来月からはデイケアで歩行訓練をするのが「たのしみ」と話すNさん。新たな挑戦に目を輝かせています。 |
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