2017年10月 98号何度もがんばったから今がある■担当マッサージ師/てあて在宅マッサージ 所沢院 濵田 大輔/平山 朋範 |
80代に入ってから3度もの胃がんの手術を乗り越えてきたK・Hさんは現在84歳。ご高齢での大病ゆえに克服したとはいえ、変形性膝関節症、腰椎椎間板症、頚肩腕症候群などの疾患を抱え、身体には重い負担がのしかかっています。
そんな辛い毎日のなかでも、いつも笑顔を絶やすことがないのは、お子さんやお孫さんをはじめとする、たくさんの人の愛に包まれているからです。
▲ 「今日はまるでスターになったみたい。いっぱい元気をいただきました」と笑顔のHさん。その笑顔は、周りの空気を明るくするパワーに満ちています。後方は、担当マッサージ師の濱田大輔と平山朋範。 |
平穏を奪った病気豊かな髪に端整なお顔立ち、そして上品で美しい笑顔……。女性ならば誰でも、Hさんのように美しく歳を重ねていきたいと憧れます。 生まれは東京の恵比寿。結婚生活をスタートした場所は渋谷でした。子供の頃から都会生活を続けてきたHさんが、東京郊外に土地を買ってここ東村山へ移り住んだのは、お子さんが中学生と小学生の頃だったそうです。 「その頃はまだ、この辺りは畑ばかりで、道を歩けば靴は泥まみれになっていました」と懐かしそうに振り返ります。 新しい土地で、育児に励み、家族のために懸命に生きてきました。お子さんたちも大人になり、家庭を持ち、今ではかわいいお孫さんたちもいます。そんなHさんの平穏な日常を奪ったのは胃癌という病気でした。 |
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▲「マッサージをして頂くと血が通っていく感じがします。おかげさまで肩や腰の痛みが楽になりました」。 手術で一時中断していましたが、退院後にまた在宅マッサージを再開しました。 |
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▲お部屋に飾られている写真額。優しい家族に見守られてHさんの今があります。▲Hさんにとってマッサージ師との会話もリラックス出来る楽しいひと時です。 | ||||
「私はまだ生きられるんだと思うと、いっそうがんばれるんです」/K・Hさん |
▲デイサービスで作った作品。「手作りは楽しいし、元気が出るんです」とHさん。 | |||||
たび重なる手術80歳からなんと3回も手術をすることになったHさん。そして3回目の手術も無事に克服したものの、昨年は、家の中で転倒し骨折。一時は寝たきりになってしまいました。現在は、手術のため中断していたマッサージも再開するまでに回復。そして懸命なリハビリの甲斐もあって、室内の移動もできるまでになりました。 「家の中を動けるようになるとうれしくなって『生きる欲』が出てくるんですね。私はまだ生きられるんだと思うと、いっそうがんばれるんです」とHさん。 同居されている息子さんは「お母さんの面倒は最後まで僕が見る」と言ってくれたと言います。娘さんも近くに暮らしています。 「私一人では何もできないです。たくさんの人にお世話になって今があるのです」。 強い意志と、周りへの深い思いやりが、Hさんの穏やかな笑顔を作り上げています。 |
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