月刊てあて「特集」

今月の特集

2011年3月25日<20号(2011年3月)>

これからも新しい物を創り出していきたい。 気持ちはいつも40代!!

  • 担当マッサージ師/中央在宅マッサージ昭島院 大澤 宏彰
  • レポート/中央在宅マッサージ 相談員 南 三枝子
これからも新しい物を創り出していきたい。 気持ちはいつも40代!!
施術が終わって、お二人ともすっきりした表情に。長女のKさん(右側)も陶芸家で、自宅敷地内に工房があり陶芸教室を開いています。担当マッサージ師 大澤宏彰(後列)と。

M.Sさん・78歳は、陶芸家です。前立腺がんで半年間入院の後、股関節機能障害で下半身が思うように動かせなくなりました。また、奥様のNさん・82歳はかつて染色作家として活動していましたが、現在は腰椎骨折と慢性肝炎の病を抱えています。 ともに病と闘いながら支え合って生きるお二人の周りには、いつも微笑ましい風が流れています。

失敗してもいい 挑戦を続けること

 失敗してもいい  挑戦を続けること
Mさんの右後ろにある壺が、『白化粧葉文壺』。日本橋三越本店新館7階ギャラリーで開催される第51回伝統工芸新作展に展示されます。

日本の伝統工芸とその高い技術の保存と発展を目的に開催される「日本伝統工芸展」。Mさんは、現在、正会員で活躍され、20年間ご自身の作品の出品を続けていて、今後も好きな陶芸を続けられる事が生きがいでした。  「入院中は、作品が作れなかったので絵を描いていました。土をいじりたくて仕方なかったけれども、退院後も足や腰が動かず、ここ2年間は公募展にも出せませんでした。でも、今年は、4月20日から開催される日本橋三越での『伝統工芸新作展』に展示されます」。作品名は『白化粧葉文壺』。本物の葉っぱを付けて色付けしたという、独創的な美しさが際立ちます。 「常に新しい物に挑戦しています。弟子にも教えているのですが、失敗してもいい、失敗しながら覚えていけばいいって」。思うように動かない身体でありながらも、陶芸への情熱は漲り続けています。

「元には戻らなくても元気であればいい。 何かを常に創りだしていることが大切。 気持ちはいつも40代です!」。/M

「元には戻らなくても元気であればいい。 何かを常に創りだしていることが大切。 気持ちはいつも40代です!」。/M
「陶芸家は年中変なかっこうで仕事をしているから、あっち痛い、こっち痛いと言っている人が多いんです」とMさん。

真のリハビリは心の中に 気持ちはいつも40代

真のリハビリは心の中に 気持ちはいつも40代
「マッサージをしていただくと首の辺りがスッキリします」とNさん。染色以外にも水墨画や水彩画、源氏物語も習いに行っていました。「やりたいことがいっぱいあるんです!」とのこと。

そんな夫の創作意欲を常に傍らで感じている稔子さんも、「90リットルの染液を入れる藍瓶が運べなくなってしまい、染色を休んでいたのですが、息子が手伝うと言ってくれたので、また始めてみようかと思っています」と決意を新たにしました。 「もう一度、染色の展覧会を開きたい」という稔子さん、そして、守枝さんはこれから、展覧会用に直径80cm大皿を作る予定です。 「元には戻らなくても元気であればいい。何かを常に創りだしていることが大切。気持ちはいつも40代です!」。 真のリハビリは心の中に在ることを教えてくれました。