月刊てあて「特集」

今月の特集

2012年2月1日<30号(2012年2月)>

趣味も健康法も、始めると何でも長く続くんです。

  • 担当マッサージ師/中央在宅マッサージ飯能院 吉光寺純子、野口弘樹
  • インタビュー/中央在宅マッサージ飯能院相談員 志村千秋
趣味も健康法も、始めると何でも長く続くんです。
在宅マッサージが終わって、「今日も気持ち良かった〜」とこの笑顔。おもわず両手でピースです! Fさんを囲んで右から相談員志村千秋、担当マッサージ師吉光寺純子、娘のK.Tさん、ケア・マネージャーのK.Mさん。

F.Fさんは大正9年元旦生まれ、いつお会いしても若々しくおしゃれで朗らかなおばあちゃまです。在宅マッサージを始めたころは、変形性膝関節症と変形性股関節症のため、寝返りさえもできない状態でしたが、室内は歩行器を使って、外出は車椅子で、と身体も少しずつ動くようになってきています。2012年の幕開けとともに92歳のお誕生日を迎えたFさんの笑顔の秘密、若さの秘訣を教えていただきました。

黒酢漬け大豆を 毎日30年。

黒酢漬け大豆を 毎日30年。
上/随筆集の表紙には、娘さんへの感謝の思いが詰まっていました。下/Fさんの豊かな感性と温かな心があふれる俳句。

俳句は19歳から現在まで、ゲートボールは70歳から20年間、さらには水彩画、粘土細工と多趣味多芸のFさん。
「食べるものでは黒酢です。大豆を煎ってから黒酢に漬けて、毎日数粒ずつ食べて黒酢も飲んで。30年続けています。私、何を始めても長く続くんです」。その成果は、美しい肌に表れていてうらやましい限りです。
 現役時代は看護師として長年働いてきました。身体が不自由な今も毎月20句ずつ俳句を詠んで、同人会への投稿を続けています。2年前にゲートボールを止めるときは悩みました。
「強いチームで、何度も全国優勝をしていましたから」。77歳の誕生日に娘さんにもらった赤いクラブを時々眺めると、もう一度それを持ってコートに立ちたいという希望が涌いてきます。

この特集に紹介される方々の、力強い言葉や生き抜く姿に、いつも感激しています。/F

この特集に紹介される方々の、力強い言葉や生き抜く姿に、いつも感激しています。/F
「身体の中の一番底にある気持ちの良い所に指が届くの。魔法の指ですね」と、Fさんならではの文学的表現でマッサージを語ってくださいました。

娘とはケンカをしても すぐに仲直り!

娘とはケンカをしても すぐに仲直り!
水彩画は毎年市の文化祭に出展していました。昨年の震災まで部屋の壁に掛けていた作品の数々。

一時は、ベッドの上で身体を横にすることもできなかったFさんにとって、実の娘・Kさんとの同居生活は心強い限りです。
「年をとるとダメね。足は痛いし耳は聞こえないし、娘には叱られるし」。それでも毎日就寝前にお湯の入ったバケツを持ってきて、湯の中で足を揉んでくれるのは香月さんです。そうすると、身体がすっかり温まって夜ぐっすり眠れます。Kさんとは誕生日も一緒で趣味も合い、「ケンカしてもすぐに仲良くなる仲!」と言います。
「在宅マッサージも、本当にいつもていねいで気持ち良くて、感謝しています。今、一番好きなのは食べる事と、マッサージかな!」とちゃめっけたっぷりの表情で語るFさん。その絶えまない笑顔の中に、逞しく生きてきた人生の輝きがありました。