月刊てあて「特集」

今月の特集

2017年7月29日<96号(2017年8月)>

負けない心を持ち続けて

  • 担当マッサージ師/てあて在宅マッサージ 昭島院 平山 桂子
  • レポート    /てあて在宅マッサージ 相談員 佐々木 明美
負けない心を持ち続けて
病気になってしまったことはしかたがないこと。でも私と同じ病気で辛い思いをしている人たちにエールをおくりたいんです」とKさん。担当マッサージ師 平山桂子と。

Y・Kさん(65歳)は、一見、お元気そうに見えますが、実は想像も出来ないほどの難病をかかえています。顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー、後縦靭帯骨化症、心臓弁膜症と、どれをとっても大変な病です。現在はこれらの病気のすべてを受け止めて、今出来る事に挑戦していこうと、リハビリやマッサージに励みながら日々奮闘しています。

前向きな気持ちと感謝の心

前向きな気持ちと感謝の心
右腕の上腕筋の筋力がなくなってきている木村さん。そのため懸命にリハビリしています。(左写真)何とか掴まり立ちで家の中の移動はできています。

Kさんは現役時代、電気関係の技術系の仕事をしていました。当時は外部から免許をもっている人を雇っていたため、自社で何とかしようと、会社から帰ってから勉強し、電気主任技術者など8種類の資格を取得し、仕事一筋、努力を惜しまずに頑張ってきたといいます。

「今の状態が維持出来ればいいかなと。これが最大の目標なんです」/Yさん

「今の状態が維持出来ればいいかなと。これが最大の目標なんです」/Yさん
週2回のマッサージは、リビングで受けています。ゆったりと落ち着いた場所での施術は、自然と会話もはずみます。「マッサージは、血流がよくなって硬くなっていた筋肉を動かしてもらうので、ほかほかしてくるんです」。

平成27年に定年退職。

平成27年に定年退職。
自作の飾り棚にはディズニーが大好きなお孫さんとの楽しい思い出の品々。
(右写真)リビングには本格的な蒔きストーブの暖炉。身も心もリラックスできる場所です。

以前より手足の筋力の衰えを感じていたため検査入院をしたところ、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーが判明しました。治る見込みもなく、指の痺れが何か月も続いたためMRI・CTを撮ったところ、今度は後縦靭帯骨化症が判明。手術を行うことで症状の進行は止まりましたが、一度傷ついた神経は回復することなくリハビリを行っても腕は上がらない状態でした。
そんな中、以前新聞に掲載されていた『てあて』という会社を思い出し連絡。マッサージを受けてみたところ、筋肉の凝っているところをもみほぐしてもらえたのでとても楽になったといいます。
まだ現役で働いている奥様のため、日曜日はゆっくり寝かせておいてあげたいからと、その不自由な体で朝食を作り始めたKさん。いつしか料理が趣味となりリハビリにもなっています。
「この歳になって、はじめて家内の大変さがわかりました」と奥様への感謝の言葉があふれます。
「落ち込んでいると幸せが逃げていくような気がする。明るく、朗らかに生きている人に幸せはやってくると信じています」。
その前向きな気持ちと、病気には決して負けないという強い心を持ち続ける限り、これからもKさんの人生は輝き続けることでしょう。