月刊てあて「特集」

今月の特集

2020年9月7日<133号(2020年9月)>

平穏に、一日一日を無事に楽しく

  • 担当マッサージ師/てあて在宅マッサージ昭島  椚 健児
  • レポート/てあて在宅マッサージ昭島  相談員 佐々木明美
平穏に、一日一日を無事に楽しく
在宅マッサージは、ケアマネジャーの紹介で今春から週1回で始めました。当初はご主人のHさんお一人でしたが、ご主人の気持ちよさそうにしている様子を見て、奥様のSさんも「私も受けてみたいわ!」とお願いしたそうです。
 本日の施術を終えてリラックスするお二人。担当マッサージ師の椚健児と。

明るい日差しが差し込む、Fさんご夫妻の部屋には、介護ベッドが二つ仲良く並んでいます。ご主人のHさん85歳は、数年前から歩行も困難になり、医師からはパーキンソン症候群と言われました。また奥様のSさん82歳は、16年前に難病サルコイドーシスを発症。一昨年に腰椎圧迫骨折、昨年は肺を患い入院し、現在は酸素吸入器を使用しています。そんなお二人を、同居する娘さんが日々明るく献身的に支えています。

病を抱えながら

病を抱えながら
奥様のSさんはカラオケやゴルフなど、体を動かすことが大好きでした。サルコイドーシスの影響で体はすでに悲鳴を上げていました。マッサージで血行もよくなり、今では体の張りも和らぎ安定してきました。

 ご主人のHさんは、若い頃は鰻屋で職人として働き、後にダンプカーを購入し独立。引退後はシルバー人材で小学校の見回りをしていました。80歳を過ぎた頃から次第に全身の筋肉が硬くなり、歩行が不安定になりました。
 一方、奥様のSさんは長年、プロ野球選手が宿泊するホテルに勤務。選手の身の回りの世話をする係として多忙でした。平成16年には難病サルコイドーシスと診断されましたが、持ち前の行動力で地域の運動会に出るなど、精力的に活動していました。
 一昨年には腰椎を骨折。また昨年、体調を崩したことから肺炎を患い入院を余儀なくされました。現在は、在宅酸素療法を行いながら、また、気軽に外出できる日を楽しみにしています。

「マッサージで、今まで思うように動かなかった体が、ほぐれていくのがわかるんです」/F.H F/S

「マッサージで、今まで思うように動かなかった体が、ほぐれていくのがわかるんです」/F.H F/S
ご主人のHさんはかつての趣味が麻雀と狩猟。すでに銃の免許も返納しているため、今は麻雀のテレビを見るのが楽しみといいます。「いつもマッサージ後は気持ちよくて、すぐ寝ちゃうんです」。

自然体で過ごす

自然体で過ごす
【写真左】コーラスサークルの発表会で歌うSさん達。10年前ですが、今でも仲良しのお友達です。左から3人目がSさんです。
【写真右】冬山でのHさん。地元猟友会のメンバーで、仲間とよく出掛けていました。

 そんなお二人には同居している娘さんがいらっしゃいます。仕事とご両親の介護の両立は大変なはずですが、娘さんはいつも明るくてきぱきとこなしています。
 幸子さんは「娘がね、すごく面倒見てくれるから感謝してるの」と嬉しそうな表情で話します。
 食事に関しては、お肉が大好物のSさんに、「あまり健康志向に走らず、好きなものを食べた方が長生きできるんじゃないの」と娘さん。そんな朗らかな娘さんのお陰で、お二人ともいつも自然体で過ごせているのです。
 今一番の目標は?とSさんに伺うと、「この年で無理に頑張ろうっていうのはもう、ね。平穏にこう、普段通り一日一日を無事に、楽しく過ごせたらね」。
 二つのベッドが並んでいる部屋には、飾らない、穏やかな時間が今日も流れています。