月刊てあて「特集」

今月の特集

2009年8月20日<創刊号(2009年08月)>

パーキンソン病とともに三年目。優しい笑顔になれる自分がいました。

  • レポート/中央在宅マッサージ 相談員 南三枝子

一年前から在宅マッサージを受け始めたG・Fさん(77歳)。 奥様との二人三脚の在宅療養生活に、在宅マッサージというサービスが加わったことで、精神的にも楽になられたようです。

罹患前は面倒見のいいGさん

罹患前は面倒見のいいGさん
「 はい、あなた、笑って! 」 の奥様のかけ声で、思わず笑顔がこぼれました。

初めてうかがったのは一年前。当時のGさんは、パーキンソン病が進行し、腕の関節がグーッと内側に入り込んでしまい、歩くのもつま先立ちで困難な状態でした。目を合わせようとしても、反らしてしまい、かつては町内会での活動を何年もされていたという奥様の話を聞くと、病気が与えた精神的な影響も推し量ることができました。  

週二回のマッサージが楽しみになって

まずは二十分のお試し体験から在宅マッサージをスタート。気に入っていただき、週一回から次第に二回のローテーションとなり、現在は、二人の国家資格をもったマッサージ師が担当しています。
在宅マッサージは、その方の身体の症状に合わせた強さで、滞っている血流やリンパの流れを促進し、運動機能を回復改善していくマッサージです。
 最初は表情を堅くしていましたが、慣れてくると、たびたび「気持ちいい」という言葉が出てくるようになり表情も豊かに柔らかくなってきました。歩いたり、お茶を飲んだり、運動機能は維持されているように見えます。

病人扱いをしない、という愛情

お宅にうかがうと、何と言っても楽しいのは奥様とのやりとりです。「あなた!お茶はテーブルの奥にちゃんと置いてね。こぼさないようにね!」のような、何十年と連れ添った夫婦だからこその歯に衣着せぬやりとりは、見ていてとても清々しいのです。けっして病人扱いしない対等なやりとりだからと思います。
 介護する側もそうした心構えが大切なのだと、奥様から私も学ばせていただきました。