今月の特集
2010年1月20日<06号(2010年01月)>
エアロバイクとハーモニカに挑戦中!あきらめない、悩まない、好きなことにチャレンジし続けていたいから。
- 担当マッサージ師/中央在宅マッサージ 飯能院 難波範成
- レポート /中央在宅マッサージ 相談員 前田みか
T・Hさん(73歳)は、奥さまと2人で埼玉県飯能市にお住まいです。
彫刻を初め、スポーツやドライブ、グルメ……、持ち前の好奇心と行動力で後半生を謳歌していたある日、突然、脳梗塞という病が訪れました。3年前のことです。左片麻痺という後遺症を抱えた今も、バイタリティあふれる毎日を送っているHさんの元気の秘訣をうかがいました。
エアロバイクとハーモニカを始めて。
Hさん宅のリビングルームに一歩入ると、精巧な彫りによる神仏の彫刻や美しい絵画の数々が目に飛び込んできます。そこは、まるでギャラリーのようにアートに包まれた空間です。彫刻は趣味で長年続けてきたもので、脳梗塞に倒れ後遺症がある今は、彫刻刀を絵筆に持ち替え絵を描いているのだと言います。
彫刻以外にもスキーやドライブ旅行、史跡巡りなど、多趣味だったHさん。彼の旺盛な好奇心と行動力が、病気に奪われることはありませんでした。
「最近の楽しみは、週3回デイサービスに行ったときのエアロバイクとハーモニカです。エアロバイクは、午前と午後に各15分ずつ、20Kcalを消費します。ハーモニカは、クリスマスイブのパーティーに向けてクリスマスソングを練習しているんですよ」と、常にチャレンジし続けていくバイタリティにあふれています。
実はハーモニカは奥様も近くの河原で練習をしていて、暖かくなったら河原で一緒に吹こうと話しをしているのだとか。お二人のハーモニカが、春風の中で美しいハーモニーとなって聞こえてくる日も間近です。
悩まないこと。くよくよしないこと。
「元気の秘訣はね。悩まないことですよ。昔できていたことが今はできなくても、いちいちくよくよしないんです」。
好きな言葉は「和」。「和」とは、ケンカしないこと、仲良くやっていくこと。特に独立してそれぞれに家庭を持つ二人のお子さんや、4人のお孫さんたちには、末永くそうあってほしいと願っているのだそうです。
左片麻痺の苦しみと闘い続ける日々ですが、人を思いやりながら、常に力強く前向きに生き続けています。今回、Hさんとお話をした短い時間の中で、周囲の心を和ます優しい笑顔の秘密を、たくさん発見することが出来たような気がします。