月刊てあて「特集」

今月の特集

2010年2月20日<07号(2010年02月)>

「治したい!」という強い気持ちがあったから、一人暮らしでもがんばれたのだと思います。

  • 担当マッサージ師/中央在宅マッサージ 座間院 木津 伸
  • レポート    /中央在宅マッサージ 相談員 間 明日香

訪問すると、いつも元気に私たちを迎えてくれるM・Tさん(76歳)。2年前に腰部背柱管狭窄症で手術をされてから、一度は車椅子の生活となりましたが、その後、「治したい!」という想いとたいへんな努力で、散歩できるようになるまで回復しました。好きなものは「巨人軍」と「ヨン様」と「植木のお世話」と笑う若々しい笑顔の中に、内に秘められた強さがあります。

一人でやらなければならないから

一人でやらなければならないから
毎号「月刊てあて」を読むのを楽しみにしているというTさん。
ついにご自身が登場してしまいました!「一人暮らしだけれど、一人だけではここまで回復できませんでした。たくさんの人が支えてくれたおかげです」。

「おとといは20分ぐらい歩いたのよ。平らな所では、杖を後ろに抱えて杖をつかないの。疲れるけれどさっぱりするね~」。
 2年前、腰部背柱管狭窄症の手術の後にお会いした時は、歩行器がないと歩けなかったことを思うと、Tさんの回復力は驚くばかりです。
「だって、治したい! という意思が強いから、これ以上はやりようがないくらい何でもやってきたの。一人暮らしだから、歩けなくたって、何もかも自分でやらなければならないでしょう。買い物だって、おそうじだって。泣いたこともあったわよ。夜、痛みで眠れなかったことも。でも救急車を呼ぶようなことは一度もしなかったわね」。
 ゼロの状態から、一つずつやれることを増やしていく。言ってしまえば簡単ですが、その一つができるようになるまでには、膨大な時間と努力が必要とされ、一人コツコツと積み重ねてきたことが想像できます。もちろんそれはこれからも続いていきます。

ヨン様と植物と巨人軍の原さん、大好き!

自分の身体と上手につきあいながら、常に明るく元気なTさんに、その秘密をうかがってみました。するとすぐに返ってきた答えが、 「好きなことがあるから。特にヨン様と植物。でもね、もっと好きなのが、巨人軍の原さんなんです。野球のシーズンが始まると顔つきが変わるの」と目を輝かせます。
 ご主人が生前のころは、二人で全国各地を旅行したり、もちろん、東京ドームや横浜スタジアムにもよく行ったと言います。ご主人が病気で倒れた後は、懸命に介護をされ、精一杯の努力をして看取られました。
そんなT.Mさんの一生懸命なお人柄に触れられたこと、そして、縁あって、「在宅マッサージ」という形でお手伝いさせていただけることを幸せに思うのです。