今月の特集
2010年10月1日<15号(2010年10月)>
「信仰と希望と愛」とともに二人でゆっくりと
- 担当マッサージ師/中央在宅マッサージ所沢院 林 一治・澤田勝・佐野貴志
- レポート/中央在宅マッサージ相談員 間明日香
Eさん(62歳)は、27年前にアメリカから来日しました。こよなく日本を愛し、奥様のFさんと結婚後も、日本で暮らし続けています。そんなEさんが脳梗塞で倒れたのが4年前。一時は、動くことも話すこともできない状態でしたが、「たくさんの友人たちとの支えと、素晴らしいお医者さんとの出会いでここまで回復することができました」と言います。右半身麻痺、運動失語などの後遺症を抱えながら、奥様と二人、ゆっくりと前進しています。
エクササイズ大好きです
毎回、在宅マッサージの後に記録している「施術ノート」はすでに3冊目になりました。
「エクササイズ大好きです!」というEさんは、週3回の在宅マッサージを欠かさない、患者さまの中では優等生のお一人です。脳梗塞で倒れたとき、「医者に身体を動かすことも、しゃべることも、一緒に食事をすることもできないかもしれないと言われましたが、きっと回復すると信じていました」と奥様。
奥様が信じた通りに、今は、すべての動作がゆっくりですが、できるようになってきています。「たくさんの友人たちが支えてくれたこと、素晴らしいお医者さまに出会えたこと、そして、神様がいつもそばにいてくださったからです」とEさんも言います。
動くことも、しゃべることも、ぜんぶ遅いけれどもできるようになりました。一人ではなかったからです。/E
長男の結婚式にはアメリカに
E家には、家族や友人たちの写真がたくさん飾られています。熱心なクリスチャンであるご夫妻の信条は、『信仰と希望と愛』。どんな困難に直面しても、毎日、この言葉とともに生きてきた二人の人生が、たくさんの写真からも垣間見ることができて心を打ちます。
写真の中には、Eさんと奥様のお子さんも二人写っています。日本で育った二人は、今は、アメリカで元気に暮らしています。ここ数年で一番うれしいニュースは、ご長男の結婚が決まったこととか。
「結婚式には、長男の好きなおはぎを持って行こうとか、二人でいろいろプランを練っているんですよ」と奥様。
お二人が、故郷に旅立つのは来年の夏。E家の壁に、幸せな笑顔が写った写真が、またたくさん飾られるのでしょう。私たちスタッフも今から楽しみにしています。