月刊てあて「特集」

今月の特集

2011年1月25日<18号(2011年1月)>

一日一日が大事だから楽しく生きたい。常に前向きがモットーです。

  • 担当マッサージ師/てあて在宅マッサージ昭島院 濱上愛実・小井川 隆
  • レポート/てあて在宅マッサージ 相談員 南 三枝子

H.Kさんの笑顔の魔法に、どれだけの人の心が癒されてきたのでしょうか。彼女の周りには常に人が集まり、にぎやかな笑い声が絶えません。変形性腰椎症、膝関節症、骨粗鬆症、多発性脳梗塞症、そして慢性心不全のために生活の行動範囲が制限されている中でも、ご本人は「過ぎ去ったことを振り返ることなく、常に前向きがモットーです!」と笑います。大正11年生まれの88歳。パワーの泉は尽きることがありません。

「オレオレ詐欺」も撃退のスーパーおばあちゃん

「オレオレ詐欺」も撃退のスーパーおばあちゃん
「一日一日が大事だから楽しく生きたいの。そのうち一時間一時間がだいじになってくるかも」とKさん。施術を終えて本日の担当マッサージ師の濱上愛実と。

 19歳で学校を卒業し20歳で結婚。戦争の時代を乗り越え、娘3人を育てあげ、民謡歴40年、詩吟歴が約25年、そして天職だった和裁は約60年、詩吟と和裁においては師範というH.Kさん。その他にも、市会議員の婦人後援会の部長を2期、老人会ゲートボールの理事、老人会班長などを歴任してきました。
「私、曲がったことが大嫌いなの。よその子でも悪いことをしたら叱るから近所では”すごいおばあちゃん”とウワサになっているみたい」。オレオレ詐欺の電話がかかってきたときも「うちにはオレなんて言う人はいません!」とキッパリ撃退したと笑います。20年前にご主人が他界し、娘たちがそれぞれの家庭を持ち、一人暮らしであるものの、彼女のあふれる元気をもらおうと友人・知人の来客が絶えず、周りは常ににぎやかです。

笑顔は心。心の健康を保つコツは、嫌なことを早く忘れることね!!/K

笑顔は心。心の健康を保つコツは、嫌なことを早く忘れることね!!/K
腰痛が始まった2004年から、在宅マッサージを週2回利用しています。施術後のストレッチも今では欠かせない週間になりました。

笑顔は心。嫌なことは早く忘れること

笑顔は心。嫌なことは早く忘れること
左:「夢有乙女」から、始まる右側の漢詩は、詩吟仲間がKさんの人生を書いてくれたもの。日舞を習っていたころのものです。

右:読書も趣味の一つです。最近読んでおすすめは曽野綾子さんの『老いの才覚』。

 10代のころから綴り続けている日記は、今も毎日更新しています。苦労や悲しみを封じ込め、過去を振り返らずに真摯に生きてきた人生史がその中にあり、今の穏やかで温かな笑顔をつくりあげてきたのです。

「笑顔は心。心の健康を保つコツは、嫌なことを早く忘れることね!」。人の悪口は言わない、恩はきせない、世話になった人のことは忘れない…、と常に前向きな言葉が発信されます。
最近の楽しみは歴史の勉強と、この春に誕生する2人のひ孫さんとか。「歴史の話を聞いているとファイトが湧く」と言い、2月と3月に一人ずつひ孫さんが誕生予定で、「これでひ孫が7人。顔を見るのが何より嬉しいの」と眼差しをゆるめます。
 まもなく春は、幸せパワーを携えてKさんの元にやって来ようとしています。