今月の特集
2011年6月25日<23号(2011年6月)>
目標は高いから、出来ることからがんばっています。
- 担当マッサージ師/中央在宅マッサージ松戸院 川田勇次
- レポート/中央在宅マッサージ相談員 剣持智香
今月は中央在宅マッサージ松戸院の患者さまの中でも、スタッフに「一番のがんばり屋」と定評のM.Sさん(67歳)の登場です。Sさんは、平成7年に脳出血で倒れ、左半身麻痺となりました。闘病生活16年目。少しずつ努力を積み重ねることで、ゆっくりと足が動かせるようになり、今は、次の「一人で立つ」目標にむかって前進中です。彼女の一つひとつの言葉から「夢」と「希望」を持ち続けることの大切さが伝わってきます。
家族のあたたかい眼に見守られて
マッサージの間響いていた「カシャッ、カシャッ」という一眼レフカメラの撮影音をなつかしい気持ちで聞いていたとSさん。
「主人はニコンの一眼レフカメラで写真を撮るのが趣味で、よく賞をもらっていたんです」。部屋に置かれた遺影の中のご主人は、優しい微笑みで奥様を見つめています。
ご主人が亡くなってから一人暮らしをしていたSさんですが、現在、次女の家族が同居の準備中です。
「一気に、にぎやかになりそう」。来年小学校のKちゃんと1歳4ヵ月になるTくん、2人の孫を含めた新しい新生活に期待と不安が入り交じります。
「16年前を0とすれば、今は80くらい。目標は100だけど、大きな花丸をもらいたいわ!」S
16年間待ち続けた「夢」と「希望」
「医者には麻痺は治らないと宣告されたときはつらかったですね」。
3年間のリハビリ入院を経て、努力をゆっくりと積み重ねてきました。1年ぐらい前に在宅マッサージを開始してようやくひざが曲がるようになり、足も上がるようになりました。1ヵ月前からは10秒間つかまらないで立つ練習もしています。
「治らないのは分かっています。だからその中でできることを探しています。16年前を0とすれば、今は80くらい。目標は100だけど、大きな花丸をもらいたいわ!」と笑います。そして気持ちはもう次の「杖をついて歩く」目標に向かっています。
「孫のKが、歩けるようになったら、セブンイレブンに行こうねって。Tは私が一人で立つと拍手をしてくれます。だから、がんばらないとね!」。
好きな言葉は「夢」、「希望」。Sさんの明日は、明るい「夢」と「希望」に満たされています。