月刊てあて「特集」

今月の特集

2011年9月1日<25号(2011年9月)>

思いやりと尊敬の心を忘れない。 何よりの支えは、夫婦の絆。

  • マッサージ師/中央在宅マッサージ浦和院 尾関昌義 引地清美
  • レポート/中央在宅マッサージ 相談員 荻原あゆみ

T・Nさん(77歳)が、くも膜下出血で倒れたのが8年前。7年間の入院生活を経て、現在は、介護付き有料老人ホームに入居し、左半身麻痺、右半身は廃用症麻痺という後遺症と闘っていらっしゃいます。気遣いと思いやりにあふれ、みんなを楽しませたいとジョークが得意なTさん。そんなTさんを常に温かい眼差しで見守るご主人。尊敬しあい、支え合うご夫妻に、夫婦という絆の素晴らしさを教えていただきました。

若々しい笑顔の主は、おしゃれの達人

若々しい笑顔の主は、おしゃれの達人
左より荻原あゆみ、尾関昌義、引地清美、「アズハイム中浦和」ケアマネジャー F.Hさん、そして、ご主人のM・Nさん。みんなでTさんを囲んで。

取材のためにご主人のMさんと近くのスーパーマーケット「イオン」に買い物に行き、洋服を新調してきたというTさん。
 フリルのブラウスに重ね着した都会的なプリント模様のカットソーが、若々しい印象をつくりあげています。
 現役時代は、洋服のオーダーメードの仕事に長年従事し、芸能人の衣装なども手がけてきたバリバリのワーキングウーマンでした。
 「昔は仕事の合間に自分で自分の服もデザインして作っていたんですよ。芸能界の衣装なども多く手がけていたから、今でも明るい華やかな服が好きですね」。
 現役を退いても尚、磨き上げてきたおしゃれのセンスに衰えはありません。

「妻が、子どもや孫にはもちろん、多くの人に慕われるのは、だれに対しても思いやりを持って生きてきたからです」/M・N

「妻が、子どもや孫にはもちろん、多くの人に慕われるのは、だれに対しても思いやりを持って生きてきたからです」/M・N

思いやりと尊敬に満ちた人生

思いやりと尊敬に満ちた人生
「私はイケメン大好きなの。だから、尾関先生も気に入っています!」というTさんに、「OKです。張り合いがあります!」とご主人。

現在ご主人とお住まいの介護付き老人ホームには、この4月から入居されました。
 「妻は、子どもや孫にはもちろんですが、多くの人に慕われています。それは妻が、たいへんな努力で仕事と家庭を見事に両立させ、だれに対しても思いやりを持って生きてきたからです」とMさん。 夫婦仲が良いのは、互いに尊敬し合う気持ちを常に持ち続けていらっしゃるからです。出逢うべくして出逢った二人が夫婦になった。お二人を見ていると、そう感じないではいられません。 
 7年間の入院、後遺症、そして4月から始まった新しい環境での生活…、さまざまな困難も苦労も常に一緒に乗り越えてきたお二人。Tさんがいつまでも素敵な笑顔でいられるのは、どんな特効薬よりも力強いものが、心を支え続けているからなのです。