今月の特集
2011年12月1日<28号(2011年12月)>
できることが少しずつ増えてきています。
- 担当マッサージ師/中央在宅マッサージ所沢院 長後 美加代
- 撮影・レポート/中央在宅マッサージ所沢院相談員 間 明日香

S.Uくん(9歳)は生後2カ月で「大田原病症候群」の診断を受け、1歳3カ月まで入院。現在は、「大田原症候群」から変容した「ウエスト症候群後の症候性全般てんかん」という病気による、さまざまな傷害を抱えながら、特別支援学校の4年生として毎日学校に通っています。できることを一つずつ増やしていきながら成長するSくんを、お母さまのYさん(40歳)が献身的に支えています。
昨日よりも今日 確実に一歩ずつ成長

数日前に文化祭があり、はちまきにはっぴ姿で劇に参加したというSくん。
「特別支援学校では、一人ひとりに合わせた専門的な指導をしてくれます。喜怒哀楽もはっきり表現できるようになってきて、おしゃべりするように声をいっぱい出すようになりました。文化祭は本人も絶好のコンディションで臨んだようです。成長しているんだなぁ〜と感じます」とニッコリのYさん。
朝9時に登校し、コミュニケーション、身体への取り組み、見る、描く、聞くなどリハビリの授業を受け、早い日は2時、遅い日は3時45分に下校。Sくんという一人の個性の中で確実に前進をしています。
「まだまだ成長期。親が無理! なんて言っていられません」/Y

明るく、たくましく、これからも…

S君の在宅マッサージは学校に入学した4年前から始まりました。
「マッサージの翌日に学校に行くと、『今日は調子がいいね』『腕がよく動くね』と言われることが多くて、本人もうれしくて報告していたりします。今は緊張している部分も柔軟なので、ストレッチをすると伸びてくれます。緊張が強い部分に筋肉を柔らかくする注射を打つ方法もありますが、今のところ、やらずに済んでいます」。そう話す由恵さんも筋肉疲労が慢性化し、在宅マッサージが欠かせません。
「下半身、特にふくらはぎが痛くない時がないです。でも、小学校4年生で親が無理! なんて言っていられませんから(笑)」。
10月に、Sくんを介助しながら3泊4日の沖縄旅行にも行って来られたとか。明るくたくましい親子の人生に、これからどんな楽しい事、幸せな事が待っているのでしょうか。