今月の特集
2013年1月5日<41号(2013年1月)>
月刊「てあて」表紙絵 作者/島崎昌美さんインタビュー
自分ひとりで立っていると思うけれど、実は前にも横にもそして後ろにも支えている人が いたのです。
『しめじ』のように…。/島崎昌美。
島崎昌美の原点
島崎さんが絵手紙作家になられた経緯は月刊てあて第24号と第25号でもご紹介しましたが、その作品すべてが、絵手紙を描くことが必然だったのではないかと思わせる程、深い感動と共感を与えてくれます。
私は、小さい頃に兄二人を亡くしました。『一寸先は闇』と悟った母が『人間好きな事をやらなかったら生まれてきた甲斐がない』と、貧乏で足袋も買えない家の世間体も考えないで、私を美大に行かせてくれました。 そんな母親に恵まていたから、今の私がこうして絵手紙と出会うことが出来たのです。母にも兄達にも僕の人生『ありがとう(感謝)』しかないのです。
「自分の今を語る」。 それは絵手紙を通して生きてきた証
私は、人生には決して『無駄はない。つまずきも失敗ではない。』と信じています。幼い頃の経験も、出版社での経験も、今描く絵手紙の中で生きています。
たしかに描くことは、自分自身をさらけ出すことになり、そこで人間の虚栄心を捨てることは容易ではありません。けれど、絵手紙を通して生きた証を記す。こんな素敵なことはないと思うのです。
絵手紙にはこれで終わりということがありません。まだまだ、修行の途中…。そして語りたい思いががたくさんあります。だから「自分を語り尽くすまで生かしておいて下さいと…」ご先祖様に毎朝お願いしています。
これからも奥様と二人三脚で
妻は、僕にとって一番の評論家です。日常の出来事に多くのスパイスを与えてくれる心強い見方。唐辛子に例えたこともありますが…必要不可欠な存在です。
■お母様の他、奥様にも恵まれた島崎さん。絵を志してから、今日まで支えて下さった奥様と二人で開く個展は、喜びもまたひとしおだったのではないかと思います。これからも二人三脚で、すばらしい絵手紙を私たちに魅せて下さい。