今月の特集
2013年5月18日<45号(2013年05月)>
今日も楽しいマッサージ
- 担当マッサージ師/中央在宅マッサージ 座間院
- レポート /中央在宅マッサージ 相談員 小澤由紀子
神奈川県愛甲郡。丹沢山地の豊かな緑と清ら かな水に恵まれた町の一角に、A・Iさん(87歳)が暮らす特別養護老人ホーム「愛和の里」があります。40代から患っている関節リウマチと腰椎圧迫骨折の後遺症で、起立も一人では難しい状態になってしまったAさん。
今の唯一の願いは、リハビリに努めて家に帰ることです。その一環でもある在宅マッサージをいつも首を長くして待っていてくださいます。
目標は家に帰ること
初夏らしい明るい緑色のニットで決めたAさん。
実は、このコーディネイトは何日も前から、担当マッサージ師と打ち合わせをしていたものです。
「これが似合うってすすめられたんです」とニッコリ微笑む表情は、まるで少女のよう。実は大正15年生まれであるとは、だれも信じないでしょう。
激しい関節拘縮の痛みが続いていた半年前よりも、表情が穏やかになって、今は、起立に必要な足の筋力をつける努力をなさっています。
最終目標は家に帰ること。今年のお正月は日帰りだったため、次は1泊することを目指しています。
目標は家に帰ること。まずは1泊することを目指しています。/Aさん
楽しいことは、未来にも
Aさんの趣味は、編み物、カラオケ、そして旅行です。かつては、セーターやベストを器用に編んでお友だちにプレゼントしたり、地元の婦人会の仲間と国内旅行やカラオケを楽しんだりしていました。
「旅行は関東の近場が多くて、日光や伊豆にはよく行きました。婦人会が、みんな年をとって老人会になってからも行っていました。温泉にいっぱい入ったからでしょうか、内臓は丈夫なんです。今日も、ごはんを美味しくいただきました」。
足が動かなくなってからは、精神的にネガティブになって、一人涙することもあったと言いますが、明るいおしゃべりに、前向きな人柄がにじみ出ています。
「楽しいことなんて、もうないと思っていました。でも、在宅マッサージは、本当に楽しい! 楽しいことって、まだまだあるんですね」。
楽しいこと、わが家に帰ることを心の支えに、笑顔でがんばるAさんの姿が、今日もキラキラと輝いていました。