今月の特集
2013年8月18日<48号(2013年8月)>
自分のことは自分で。たとえ時間がかかっても。
- 担当マッサージ師/中央在宅マッサージ 水戸院 宮本 博幸
- レポート /中央在宅マッサージ 藤田 正樹・高橋 光代
Y・Oさん(78歳)が脳卒中で倒れたのが8年前。右半身に後遺症が残ったものの、リハビリ・マッサージを懸命に続けることで、杖をついて何とか歩けるようになるまで回復しました。右手の機能訓練を兼ねて、毎日家族全員の洗濯物をたたんだりもしています。4人のお孫さんたちに囲まれた、楽しくてにぎやかな暮らしも希望の糧に。
マッサージって楽しい?
「おじいちゃん、マッサージって楽しい?」「今日はデイでカラオケを歌った?」と、お孫さんたちから質問が投げかけられ、「マッサージは楽しいよ。体が軽くなるからね」「今日は90点出したよ」と、ていねいにゆっくりと答えるOさん。
一緒に暮らす次女のお子さんたち、家の近くに暮らしている長女のお子さんたちが、学校から帰ってくるとおじいちゃんの部屋に集合し、楽しそうに遊んでいます。
構音障害があるため、話すことに多少の困難はあるものの、お孫さんとの会話は楽しみの一つ。「気分が楽になりますね」。
「ただ孫たちと遊んでやれないのが残念です」と言うOさんですが、人は努力をすれば、どんな困難も乗り越えていけるのだということを、お孫さんたちは大好きなおじいちゃんから、学びとっているに違いありません。
マッサージは楽しいです。体が軽くなるから。/Y・Oさん
何でもやってみること
「初めのころは、体がぜんぜん動かなくて、どこを触ってもらっているのか分かりませんでした」。
生涯、車椅子生活を覚悟した時期もありましたが、家族やたくさんの方の励ましの中で、リハビリやマッサージを続けてきました。今では、足の装具を付けたり、家族の洗濯物をたたんだり、チラシを折ってゴミ入れを作ったりもできます。
今日もデイサービスで、プールに入って、50メートル歩いてきたと言います。
「何でもやっているうちに要領が分かってくるんです。目標は人の世話にはならず、自分で行動できるようになることです」
病気とのつきあいは、今年で9年目。希望に満ちた未来を信じています。