月刊てあて「特集」

今月の特集

2013年12月15日<52号(2013年12月)>

幸せは、いつだって足もとに。

  • 担当マッサージ師/中央在宅マッサージ 松戸院 鈴木 一広 / 渡邊 裕美
  • レポート    /中央在宅マッサージ 相談員 橋元 理恵
幸せは、いつだって足もとに。
心身ともに支えてくれている夫の哲さんとは、少し前に金婚式を迎えることができました。
Sさんの隣は、担当マッサージ師の鈴木一広と渡邊裕美

50歳のときに子宮癌を発症。その手術以後、リンパ浮腫、骨盤膿腫、右大腿骨人工骨頭置換術、さらに重篤な頚椎の疾患など、S・Fさんは、次々と襲ってくる病魔と 年間闘い続けています。絶対に元気になりたいという強い意思、そしてどんな困難な時であっても、人を優しい気持ちにさせてくれる素敵な笑顔の持ち主です。

家族に囲まれて

家族に囲まれて
取材がいつの間にか撮影会に。どんな笑顔が写真に収められたのでしょう。

湯けむりに包まれた別府温泉、ラベンダーの花咲く北海道、家族みんなでワイワイと楽しく祝う誕生会……、ベッドの側の壁には、思い出の写真がたくさん貼られ、Sさんの幸せな人生を垣間見ることができます。
 娘さんご家族とは玄関こそ別なものの、上下階で暮らしています。毎日のように行き来し合い、仕事を持つ娘さんの代わりにSさんがお孫さんの育児を担当しました。
 大きくなった今も毎朝、「行ってきます!」とSさんの顔を見てからお孫さんたちは学校に出かけます。
 「幼稚園の送迎はもちろん、お弁当作りもしました。たいへんだったけど孫育ては楽しかったわ」と微笑みます。

一つずつというより、少しずつね。/S・Fさん

一つずつというより、少しずつね。/S・Fさん
取材後、夫の哲さん、娘さん、お孫さんたちに囲まれて。

病魔との闘い

病魔との闘い
施術中のSさんは、終始リラックスした表情です。特に、日常生活動作で負担のかかる頚から腰部の緊張を、マッサージで和らげていまきす。

しかし、そんなSさんを病魔が次々と襲いました。手術、入退院をくり返し、2年前に頸椎硬膜外腫瘍で入院した後は、寝返りさえも困難になるほど体が動かなくなってしまったのです。
 「手も使えないし、足も動かないし、着替えもできませんでした。リハビリをがんばるしかなかったんです」。
 暗闇の中で探し当てた一本の糸をたどるように、節子さんは毎日ひたすらリハビリを続けました。
 そして今では、一人で寝起きも、杖をついての室内歩行もできるまでになったのです。
「一つずつというよりも、少しずつですね」。
これからの目標をうかがうと、「歩きたい。お料理をしたい。近くのスーパーに買い物に行きたい!」と即座に回答が返ってきました。  
 写真の中で幸せそうに輝くSさんと同じ、きらきらと輝く瞳がそこにはありました。
 暗闇の中で探し当てた一本の糸をたどるように、Sさんは毎日ひたすらリハビリを続けました。
 そして今では、一人で寝起きも、杖をついての室内歩行もできるまでになったのです。