月刊てあて「特集」

今月の特集

2014年4月15日<56号(2014年4月)>

恋人同士のように寄り添いあって

  • 担当マッサージ師/中央在宅マッサージ 長野院 山田 信太郎
  • レポート    /中央在宅マッサージ 相談員 盛田 美由紀
恋人同士のように寄り添いあって
若いときからタバコも吸わず、お酒も飲まず、子煩悩だったというYさん。Kさんに とっての素敵な旦那様は今もここに健在です。担当マッサージ師・山田信太郎と。

Y・Kさん(79歳)は6年前にパーキンソン病を発症。1年前に転倒して左大腿骨を骨折。現在は歩行器で生活をしています。奥様から「Uちゃん」と呼ばれ続けて50年。家に訪問するたびに、献身的に介護を続ける奥様の姿があり、お二人の周りには、いつも微笑ましい風が流れています。年を経ても、病の中にあっても、仲睦まじいご夫妻の姿に、理想の人生を感じます。

「あ・うん」の呼吸で

「あ・うん」の呼吸で
Yさんと二人でつくってきた菜園。今では息子さんが土を耕したり草を刈ったりなどの力仕事を手伝ってくれます。季節の野菜の他にも、栗やクルミ、梅、梨などの果樹もたくさん植わっています。

Kさんご夫妻が、お見合いで結婚をしてまもなく50年。「Uちゃん」「K子」と当時から呼び合い、お孫さんがいる今も、互いを思いやる気持ちが変わることはありません。
 「夫とは10歳年が離れているということもあったのでしょうか。大きな喧嘩もしたことがないんですよ」と奥様のKさん。
 6年前に、パーキンソン病を発症。昨年の春には、突風にあおられて転倒、入院、手術、寝たきりの日々、リハビリ…と、めまぐるしい時期を送ってきました。
 「とにかくこまめによく動いてくれます。働きものなんですね」と今度はYさんからも一言。
 多くの言葉を交わさなくても、「あ・うん」の呼吸で寄り添ってきた、お二人ならではの空気が、常に流れています。

夫婦そろって長生きしていること。それが何よりの幸せ。/Y・Kさん

夫婦そろって長生きしていること。それが何よりの幸せ。/Y・Kさん
マッサージは気持ちがいいです! 施術後は、足がぐっと 軽くなりますね」とYさん。

イチロー選手に元気をもらう

イチロー選手に元気をもらう
移動には歩行器が必要です。常にそばにいて、Yさんの
介護を献身的に続けるKさん。

65歳まで現役で働き、その後は、奥様と家庭菜園での野菜づくりを楽しんだり、大好きなイチロー選手を応援したり、穏やかな老後を送ってきました。
 身体が不自由になった今は、イチロー選手の応援はもちろん、今年からはさらに同じヤンキースに加わった「マー君」こと、田中将大投手からも目が離せません。
 「衛星中継を録画しておいて、昼間に観るんです」と、アメリカの大リーグの話になると、表情を輝かせます。
 まもなく、長野の長い冬も終わり、暖かくて、身体にもやさしい春がやってきます。
 K家の畑にたくさんの菜の花が咲くころ、優しい奥様に見守られながら、イチロー選手やマー君の活躍に元気をもらっているYさんの姿があることでしょう。