今月の特集
2014年9月29日<61号(2014年9月)>
何より大切なのはあきらめないこと
- 担当マッサージ師/中央在宅マッサージ 水戸院 植木 均
- レポート /中央在宅マッサージ 相談員 伊藤 孝子
本田技研工業株式会社狭山工場フットボールクラブに所属し、その後は、茨城県のサッカー協会社会人連盟のリーグ責任者を務めるなど、長年サッカーにかかわってきたR・Aさん(54歳)。スポーツで鍛えた精神力と体力で仕事もバリバリとこなしていた2年前、突然、脳梗塞に襲われました。左半身麻痺となった身体と闘う中で、いつも口ずさむのは「絶対にあきらめない、負けない」という言葉。サッカーで学んだポジティブシンキングが伝わってきます。
ある日、突然に
「仕事で機械の部品を車で運んでいたとき、信号がぼーっとして見えなくなっちゃったんです」。
病に襲われた瞬間をふりかえり、Aさんは語ります。そのまま救急車で病院に搬送。脳梗塞が判明しました。
若いころからスポーツが好きで、仕事の傍ら、20年間、少年サッカーを指導、審判の免許も持っていました。また、車のA級ライセンスを取得し、カーレース出場の為の練習経験などもありました。
そんなAさんが、身体の半分が動かない現実に、どれほど深い失望感を抱いたのかは彼の口から聞かされることはありません。
むしろ、身の回りの事を何でもやってくださる奥様に対して「世話掛けている」「ありがとう」など、直接は言えない感謝の気持ちを、はにかみながら、私たちに話してくださいました。
「車を運転できるようになるのが 中期の目標、大きな目標はマラソン大会で完走することです」/Aさん
人生で大切なこと
マッサージを始めて1年ですが、動かなくなった手がより少しづつ上がるようになり、足のむくみもだいぶ和らいできました。
「もう少し膝がのびるようになることが小さな目標、車を運転できるようになるのが中期の目標、大きな目標はマラソン大会で完走することです」と言います。
これまでの人生で何よりも学んだことは、常に目標をもって、絶対に大丈夫だと信じていれば道は開けてくるということでした。
そうして常に新しい扉をあけて、目標を達成し自信を積み重ねてきたのです。50代から始めてマスターした英会話もその一つでした。
「絶対に好きなんだという思いを持って、あきらめないことです」とAさん。
次の目標への助走はすでに始まっています。