今月の特集
2014年11月28日<63号(2014年11月)>
現役時代を頑張れたから、今があります。
- 担当マッサージ師/中央在宅マッサージ 座間院 北浦 照佳
- レポート /中央在宅マッサージ 相談員 今成 光子/小澤 由紀子
M・Oさん(80歳)は、5年前から、腰部脊柱管狭窄症を煩い、大手術をしたものの、歩行の不自由な日々が続いています。お祭り好きで、お話し好きのOさん。60歳まで毎年お祭りに参加していました。元気になって中学校の同窓会に出かけるのを楽しみにしています。
好きな仕事に進んだのだから
Oさんは、昭和9年に生まれ、小学生のときに第二次世界大戦があり、その後も戦後の混乱の中で必死に生きてきました。
「中学生のころから車が大好きでした」。昭和28年から住み込みで働き始め、苦労しながら運転免許を取得。
「路線バス会社に31年間、そのあと12年間は、養護学校のバスの運転手をしました」。
腰部脊柱管狭窄症は、狭くなった脊柱管が神経を圧迫し、下肢に痛みやしびれが出る病気です。
「運転手という好きな道に進んだのだから後悔はしていません。70歳まで働かせてもらったのですから、感謝していますよ」と笑います。
「運転手という好きな仕事に進んだのだから70歳まで頑張れました。」/Oさん
目標は同窓会への出席です
歩行が困難になってから、外出は積極的にはできなくなりました。
退職した会社からの飲みの誘い、中学校時代の毎年恒例の同窓会など、出かけて楽しみたいという想いはつのるばかりです。
「車掌と運転手の同窓会はもう20年も続いていて、毎年2月の第二週目って決まっているんですよ。中学時代の同窓会もあって、今年は欠席のはがきを出したばかり。一人欠けるとつまらないって言われちゃいました」と少し寂しそうですが、リハビリを頑張って、次の同窓会には必ず出席するという目標ができました。
庭には、現役時代に会社からもらったというみかんの木が、秋の光の中で少しずつ色づいて華やぎを添えています。
「時季になったら、みかんもらいに来てよ。お茶わかしておくからさ!」。
人懐っこい澄んだ瞳がそこにはありました。