月刊てあて「特集」

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2015年12月20日<76号(2015年12月)>

「ありがとう」の思いが リハビリの力に

  • 担当マッサージ師/中央在宅マッサージ 所沢院 高橋 修一
  • レポート    /中央在宅マッサージ 相談員 間 明日香
「ありがとう」の思いが リハビリの力に
「どうやったら歩けるようになるか?と考え、施術をしてくれている先生がいるから頑張らなきゃといつも妻と二人で話しています」。右から奥様のMさん、おじいちゃんの脳トレ教育係のHちゃん、後方は担当マッサージ師の高橋修一。

K・Sさん(78歳)は、平成24年2月、仕事中に脳出血で倒れました。運ばれた病院の医師から危険で厳しい状態と言われましたが、強い生命力で危険を脱しました。現在は左片麻痺がありますが、リハビリをして一日も早く仕事に復帰したいという目標を持ち、やさしい家族に囲まれながら、毎日を明るく真摯に生きています。

一日一日に感謝して

一日一日に感謝して
Hちゃんはいろいろな将来の夢を持っていますが、マッサージの先生もそのひとつ。おじいちゃんの散歩の時は、ときどき車椅子を押してくれます。

「おやすみ、今日も一日ありがとう。明日もよろしくお願いします」。毎晩寝る前に奥様のMさんに向かって、こう言うのがSさんの日課です。
「日本男子は心に思ってもなかなか口で表すことができないと思いますが、この言葉を言われると、ちょっとカチンときていたとしても、もう無し。明日からまたがんばろう!という気になります」とMさん。
前向きな性格で明るく、Sさんの周りはいつも笑い声が絶えません。目標は、一日でも早く仕事に復帰すること。そんな思いで懸命に病気と闘う様子が、2014年8月にTBS『夢の扉』、同年12月にはNHK・Eテレ『TVプロジェクト』の2つの番組で放映されました。放映後、「家族の笑顔が素晴らしかった」「父にもああいう笑顔を取り戻してもらいたい」というような、多くの反響が寄せられたといいます。

「おやすみ、今日も一日ありがとう。明日もよろしくお願いします」/Sさん

「おやすみ、今日も一日ありがとう。明日もよろしくお願いします」/Sさん
Hちゃんはいろいろな将来の夢を持っていますが、マッサージの先生もそのひとつ。おじいちゃんの散歩の時は、ときどき車椅子を押してくれます。

希望の花マル

希望の花マル
在宅マッサージを受け始めて3年。マッサージをしながらの楽しいおしゃべりも老化防止になっています。

Sさんは、毎日スクワットとかかと上げ運動をすることをご自身に課しています。
「みんな私のために一生懸命やってくれているから、余計にがんばらなければと思って毎日を過ごしています」。
数年前までは、数歩歩くのがやっとでしたが、最近は奥様が見守る中、介助されながら100m以上歩いたこともあります。
また脳トレも積極的に行っています。小学校の算数の問題集をコピーしては、デイケアに行ったときに問題を解き、お孫さんに採点してもらいます。
「厳しい先生なんですよ。じぃじだめ!って言われてしまう(笑)。でも、たまに良くできると花マルをくれるんです」。
まずは、車椅子を卒業し、自分の力で歩くこと。小さな花マルの積み重ねの先に、希望の扉が開くことを信じています。