月刊てあて「特集」

今月の特集

2016年4月30日<81号(2016年5月)>

ゆるやかに成長していく孫を見続けたいから

  • 担当マッサージ師/中央在宅マッサージ 町田院 野間 覚
  • レポート    /中央在宅マッサージ     小林 直子
ゆるやかに成長していく孫を見続けたいから
Tさん、ご主人、孫のKさんの3人が在宅マッサージを受けています。Kさんを中心に笑顔が絶えないご家族。からだを動かすのが好きというだけあって、年齢よりもずっと若々しいTさんです。担当マッサージ師、野間覚と。

快活で行動派のT・Nさん(80歳)は、7年前に腰部脊椎管狭窄症、昨年は腰椎すべり症、人工膝関節と、たび重なる手術。元気になって歩きたい一心で乗り越えてきました。そしてもう一つ、Tさんを支えているのが家族との絆です。脳性麻痺があり、車椅子生活を送る孫のK・Oさん(29歳)とは、心を許し合う仲です。Kさんの成長を温かく見守っています。

心豊かに 生きるために

心豊かに 生きるために
元気になれば、痛くないし、行動するにも時間がかからない。歩行困難なTさんにとって、マッサージは至福の時。

整理整頓の行き届いたお部屋について、「マッサージの日には、急いで掃除しているんです。おかげで片付けが早く終わるようになりました」と、茶目っ気たっぷりに話すTさん。週2回の訪問を、受け身になって待つのではなく、行動の機会にするのはTさんならではです。

7年前に手術したものの、数年後には足の痛みが再発し、歩きにくくなりました。

7年前に手術したものの、数年後には足の痛みが再発し、歩きにくくなりました。

「痛いと気が滅入って、つい家族に当たってしまう。私は元来、じっと静かにしているのが耐えられなくて、動き回りたい性分なんです」。
昨年、ご家族はなんとか手術を回避できないかと心配したそうですが、「心豊かな生活がしたい!」とTさんは手術を即決しました。
同じころ、孫のKさんが在宅マッサージを受け始めました。その気持ちよさに気づいたKさんは、いつも体の痛みを抱えていたTさんに、「マッサージを受けたほうがいい」と提案。Kさんの母親であり、Tさんの娘であるNさんの勧めもあって、Tさんとご主人もマッサージを受けるようになりました。
「毎回とってもいい気持ち。もっともっと続けばいいのにと思っています」と話す満面の笑みには、家族への感謝がにじみます。

私たちが元気でいるのはKのおかげ、 神様のプレゼントです。/Tさん

私たちが元気でいるのはKのおかげ、 神様のプレゼントです。/Tさん

オリンピックまで 元気でいたい

オリンピックまで 元気でいたい
マッサージの気持ちよさは、つい祖母のTさんに勧めてしまったほど、折紙付き。
写真をもとに精緻に描かれた布絵は、Tさんの趣味。部屋の至るところに飾られています。

一方のKさんは、出生時の脳性麻痺によって、筋麻痺、関節拘縮があり、車椅子で共同作業所へ通っています。今はそこで豆腐の販売に精を出す日々。
「Kは人が好き。販売を背負って立つ"営業部長(自称)"になって張り切っています。世話好きなところは、私と似ているかもしれませんね」とTさん。
そんなKさんの趣味であるカラオケに、Tさんともよく付き合うのだそうです。
「Kがいるから一層、元気でいたいと思うんです。2020年のオリンピックを一緒に見たいですね」。
私たちが元気でいるのはKのおかげ、神様のプレゼントです。