月刊てあて「特集」

今月の特集

2018年7月28日<107号(2018年7月)>

笑顔で、また歩けるように

  • 担当マッサージ師/てあて在宅マッサージ 浦和院 野間 覚
  • レポート    /てあて在宅マッサージ 相談員 荻原 あゆみ
笑顔で、また歩けるように
在宅マッサージが終わって、ホッと一息のK・Oさんを囲んで、皆さんと一緒に記念撮影。両隣は、向かって左が孫のAさん、右は施設の相談員さんと両端のお二人はケアマネジャーさん。後方は担当マッサージ師 野間覚です。

穏やかで人懐っこい性格のK・Oさん84歳。これまでに心不全やパーキンソン病などを発症し、辛い入院生活も送ってきましたが、現在は、特別養護老人ホーム「えくぼ」で暮らしています。昔は活動的でたくましく、近所の人たちからは「パワフルおばあちゃん」と呼ばれ慕われていました。また以前のように明るく元気なおばあちゃんに戻って欲しいと願うご家族の愛にこたえ、リハビリに励んでいます。

病気を乗り越えて

病気を乗り越えて
施術後はすがすがしい表情のOさん。いつもマッサージ師さんが大好き!と仰います。

かつてはご長男と2世帯で同居され、お孫さんも含めて家族7人で暮らしていたOさん。
パーキンソン病を患ってからは、ご家族で協力しながら自宅で介護をしてきました。日中は一人になる事もあり、次第に褥そうなどの症状も悪化し入院。ご家族は出来る限り生活を共にしたいと望みましたが、退院後は施設での介護を選択せざるを得ませんでした。
そんなOさんを思い、足しげく施設を訪れて一緒に歩行練習をしたり、外出レクリエーションにも参加されている孫のAさんは仰います。「私はおばあちゃんに育ててもらったようなもの。裁縫が得意で学校の手提げなど全部おばあちゃんに作ってもらった。だから今もずっとついていてあげられないことが寂しいんです」。

家族の愛を支えに

家族の愛を支えに
Oさんが作ったワンちゃんのぬいぐるみを前に、ピースサインでにっこり。お茶目なOさんの傍らには孫のAさんがいます。

「昨年6月から在宅マッサージを始め、次第にマッサージにも慣れはじめた頃に転倒して骨折し入院。退院後は会話の受け応えもままならず、思うように動けない辛い日々が続きました。
その後、施設の方々と協力し合いマッサージとリハビリに取り組まれ、今年に入ってからはみるみるうちに会話や身の回りのことが出来るまでに回復しました。
「以前はこんなんじゃなかった。本当にウソのようです。みなさんのおかげです」と孫のAさん。
今では笑顔も多く見られ、一日の大半を施設の方々とリビングで楽しく過ごしています。
また施設の受付には、Oさんがタオルで作った可愛いワンちゃんのぬいぐるみが飾られていて、元々は手先が器用で、裁縫が得意だったことが伺えます。
頑張り屋さんなOさんの「歩きたい」という強い気持ちが復活への源に繋がっています。
また、あの明るく元気な「パワフルおばあちゃん」の姿が見られる日もそう遠くはなさそうです。

「また明るく元気なおばあちゃんに戻って欲しいんです」/Aさん(孫)

「また明るく元気なおばあちゃんに戻って欲しいんです」/Aさん(孫)
在宅マッサージを始めた当時は、起き上がって座ることさえも出来なかったといいます。現在は関節可動域の維持と拡大につとめ、効果も少しずつ現れています。