月刊てあて「特集」

今月の特集

2018年11月28日<111号(2018年11月)>

2つの時代を全力で生きて

  • てあて在宅マッサージ 所沢

Y.Fさん(86歳)、2010年2月に胸腰椎白骨折で入院。退院後、頚肩の疼痛、張り、階段の昇降や歩いたときの息苦しさ、下肢の浮腫、冷感などの症状に悩まされる毎日になりました。現在は、それらの症状と闘いながら、少しでも改善したいと在宅マッサージやリハビリに励んでいます。

苦労のハイカラ人生

苦労のハイカラ人生
マッサージが終わると背伸びをしてスッキリしたご様子のFさん。この笑顔が周りを明るい気持ちにさせます。奥様のTさんと、担当マッサージ師 横田薫。

シルバーグレーの髪がダンディなFさん。モダンな赤色のTシャツもかっこよく着こなします。
生まれは東京の浅草。ご両親と兄弟姉妹に囲まれた暮らしは贅沢ではなくても幸せな日々でした。しかし、13歳のときにご両親が他界。生活は一変しました。
「親にはせめて20歳になるまでは生きていてほしかったですね。親戚にも頼れなく、紳士服の仕立て屋に住み込みで働いて、学校にも通って、今思えばおもしろい人生だったかもしれないです」。
奥様とは洋裁の世界を通して知り合い恋愛結婚をしました。そして勤勉に働き貯金したお金で、自宅兼紳士服のオーダーメードのアトリエを練馬区大泉町にオープン。不況のあおりで紳士服の仕事を続けられなくなってからは、奥様が中心になって婦人服へと転換。奥様とまさに二人三脚で2つの時代を乗り越えてきたのです。

寄り添い支え合う穏やかな暮らしが、勇気と希望を…

寄り添い支え合う穏やかな暮らしが、勇気と希望を…
マッサージで身体機能もだいぶ改善されてきました。また呼吸が辛くならない程度に、さまざまな運動療法にも果敢 にチャレンジしています。

二人で支え合って

8年前、胸腰椎白骨折になってからは、脊柱側弯症による慢性的な腰痛や血行不良などの症状に悩まされ、担当のケアマネジャーさんの薦めで、在宅マッサージを始めました。
いつも在宅酸素を使用している為、チューブを付けたままできるマッサージやストレッチを行っています。マッサージを終えると「とても気持ちいいし、体が動きやすくなる」と言います。
初めて訪問して以来、変わらずずっと仲睦まじい夫婦愛を感じるお二人。からだが不自由になってからは、奥様の助けを借りて、ときどき花を見に出かけたり、長野県飯山市にある奥様の田舎へ行くのが楽しみとなりました。
ご夫婦二人、季節を感じながら寄り添い支え合う穏やかな暮らしが、これからもがんばり続ける勇気と希望を与えています。