今月の特集
2018年12月27日<112号(2018年12月)>
痛いのは生きてるということ
H.Iさん(69歳)が、脳梗塞で倒れたのは、平成21年10月。後遺症により左片麻痺となりました。生来の負けず嫌いというIさん。退院後からリハビリとマッサージをスタートし、動かなくなった体と必死に向き合い続けています。最近は、その成果を少しずつ実感できるようになりました。
生来の負けず嫌い
Iさんは、脳梗塞での入院後、リハビリの専門病院で半年間を過ごして退院。その後、リハビリの施設に通いながら、あわせて在宅マッサージも続けてきました。
脳梗塞の後遺症により、拘縮した関節をほぐす為、変形徒手矯正術も行っています。退院直後は、ビニール袋も持てない状態だったのが、刺激を与えたことで少しずつ握力もついてきました。
生来の負けず嫌いもあり、先生に言われたことは、辛くても工夫して出来るようにしてきたといいます。
「マッサージやリハビリでの痛みはまったく苦になりません。痛いっていうのは生きていることですから」。
良くなれば良くなるほど、もっとやろうという気持ちになります。
主夫もリハビリのうち
現役時代は市役所に勤めていたIさん。奥様も勤めていたことから、自ら主夫業を買って出るようになりました。「ご飯とサラダと味噌汁を作っておけば……」とIさん。
最初は野菜を切るだけでも大変だったのが、今では左手の握力もついてきて、ピーラーで野菜の皮むきも出来るようになりました。
「現役時代から人には負けたくないという気持ちを持ってやってきたので、それが今のリハビリ生活にも役立っています」。
現在の最終目標は、現役の頃のように、自分でYシャツが着られてネクタイが結べるようになること。「体が良くなれば良くなるほど、『もっとやろう』という気持ちになるから不思議ですね」。
大切なのは、『努力すること』と教えてくれたIさん。今、すべてが良い形になって回り始めています。