月刊てあて「特集」

今月の特集

2019年3月28日<115号(2019年3月)>

夫婦で共に支え合って50年

  • てあて在宅マッサージ

福島県伊達市。山と木々に囲まれ豊かな自然が広がる一角。Aさん(77歳)は、奥様のYさんと3匹の愛猫たちに囲まれ、穏やかに暮らしています。  脳梗塞の発症から12年。奥様に支えられながら、思うように動かない身体と向き合ってきました。今年は結婚50年の記念すべき節目。「金婚式を機にどこか旅行にいきたい」とおっしゃる奥様の願いに応えようと、懸命にマッサージに取り組むAさんの姿がそこにはありました。

平穏な日々が一変

平穏な日々が一変
施術中、愛猫シュンくんがAさんのお腹の上にのって気持ちよさそうにしているとのこと。「おかげさまで、開設当時から『てあて福島』の皆様にはお世話になっています」。いつも寄り添う奥様のYさんと、担当マッサージ師 濱田裕一。

現役時代は、バスの運転手として42年間無事故無違反で定年まで働いてきたAさん。 定年後も、嘱託となって第二の人生を歩み始めた矢先、脳梗塞という想像もしなかった病が、Aさんを襲います。 身体に異変が起きたのは、終点のバス停。乗客を乗せていなかったことが幸いでした。しかし、左片麻痺という後遺症が残り、退職を余儀なくされました。 退院後は、家族に迷惑はかけられないという思いで必死にリハビリに取り組み、歩行できるまでに回復。その後、自宅療養していましたが、次第に身体は硬くなって動きづらくなっていきました。 そんな時、ケアマネジャーの紹介で、当時開設したばかりの『てあて在宅マッサージ福島』を知り、マッサージを始めました

「妻には面倒ばかりかけて世話になっている。できることは少しでも自分でやっていかないと」。

「妻には面倒ばかりかけて世話になっている。できることは少しでも自分でやっていかないと」。
週3回の在宅マッサージは、左半身の痺れの緩和、関節可動域の維持、改善のため施術をしています。「あまり体を動かしていなかったので、だめかなと思ったけれど、マッサージをしているうちに体がだんだん戻ってきました」。訪問日が楽しみというAさん。

感謝の気持ちを

現在は主に、左半身の痺れを緩和させるマッサージを行っています。「妻には面倒ばかりかけて世話になっている。できることは少しでも自分でやっていかないと」とAさん。その言葉からは奥様への愛情と思いやりを感じます。  阿部さんは23歳の時に奥様と出会い、27歳の時に結婚。なんと、今年で夫婦生活50年になります。昔、家族で行った思い出の場所、富士山へもう一度行くことがAさんの今の目標です。  「昔はよく、私をおんぶして富士山に登れるようになりたい!なんて言ってたんだけどね」と奥様は照れながら笑います。  そんな奥様に支えられながら、これまで夫婦二人三脚で困難を乗り越えてきました。「100歳まで生きるぞ!」とおっしゃるAさんの目には、希望に満ちた明るい未来が見えます。