月刊てあて「特集」

今月の特集

2019年6月26日<118号(2019年6月)>

四つの時代を生き生きと

  • てあて在宅マッサージ

「どうぞ、お入りください!」。お宅にうかがうたびに、F.Tさんは、いつも元気な声で私たちを迎えてくれます。大正15年2月生まれの93歳。令和は4つ目の元号となりました。とても若々しいFさんですが、変形性頚椎症や腰部脊柱管狭窄症、変形性膝関節症など多くの疾患を抱えています。「お風呂とマッサージが大好き」というFさんの愛らしい笑顔に、誰もが魅了されています。

毎日を楽しみながら

毎日を楽しみながら
「今まで、たくさんのマッサージを受けてきたけれど、てあてのマッサージが一番効くんです」とFさん。「この笑顔が見たいので、次の施術もがんばります」。本日の施術を終えたマッサージ師 菊川満と

「さて、私は何歳でしょう?」「80歳?いや74歳でしたっけ?」「何をおっしゃいます。大正生まれですよ、大正!」なんて、楽しい会話で取材は大盛り上がり。 声は大きく溌剌としており、お肌は艶やかな93歳。多くの疾患に悩まされ、肩・腰・膝など常に関節に強い痛みがありますが、移動は歩行器を使い、室内では手すりにつかまりながら暮らしていらっしゃいます。 現在、関節の痛みを緩和する為、週2回の在宅マッサージを行い、デイサービスにも通っています。 「デイサービスでは、体操したり、歌を歌ったり、おしゃべりもたっぷりします。行けば何でも一生懸命やってしまうんです」と、楽しい暮らしのようです。

「デイに行く日は楽しみで早く起きちゃいます」。/F.T

「デイに行く日は楽しみで早く起きちゃいます」。/F.T
「今まで、たくさんのマッサージを受けてきたけれど、てあてのマッサージが一番効くんです」とFさん。「この笑顔が見たいので、次の施術もがんばります」。本日の施術を終えたマッサージ師 菊川満と

たくさんの愛に囲まれて

かつては、茨城大学の学生寮を経営されていたFさん。交友関係は驚くほど広く、近隣の親友やかつて寮にいた人達、二人の息子さんご家族など、毎日のように誰かがFさんの元を訪れるそうで、いつも賑やかだといいます。  また、昔から大のお風呂好きで、若い頃は亡くなられたご主人と一緒に、北海道から沖縄まで日本国中の温泉を巡っていたそうです。「また温泉に行きたいね」とにっこり笑顔を浮かべます。  今のFさんの、いちばんの楽しみは、愛犬クマと過ごす時間。「言葉はしゃべらないけれど、何でもわかっているからね」と、Fさんの心のよりどころでもあるクマとは、深い絆でつながっています。  93歳になってもなお、明るく元気なFさんには人を引き付ける力があります。周囲の大切な人との関わりあいが、生き生きとした心を持ち続けられるのです。