月刊てあて「特集」

今月の特集

2019年8月19日<119号(2019年7月)>

笑顔と感謝の気持ちを忘れない

  • てあて在宅マッサージ

S.Hさん74歳は、現在、施設で暮らしています。右股関節脱臼や両変形性膝関節症などの疾患で辛い痛みがあり、日常のほとんどは車椅子の生活です。マッサージを始めて1年、少しずつではありますが痛みも和らぎ、良い方へと変化が見えてきました。いつも笑顔を忘れず、常に周りの人たちを気遣うやさしい気持ちが、みんなの心を癒してくれています。

毎日を楽しみながら

毎日を楽しみながら
「マッサージ中は気持ちよくて、ついつい眠ってしまいます」とKさん。施術中の何気ない会話が心もほぐしてくれ、自然と笑みがこぼれます。本日の担当マッサージ師 細田清美と

色白で愛くるしい目がとてもチャーミングなKさんは、普段から花柄などの可愛らしいものを身に着けているおしゃれさんです。  かつては青果店を営み、忙しくも地域ではとても人気の賑いだったといいます。  昔から手先を動かすことが好きで、施設では手芸や書道にいそしんでいます。最近、スタッフさんの付き添いで、刺し子の糸を探しに手芸店にお買い物にも。好みの配色で作品を作ったりと、楽しく充実した日々を送っています。  そんなKさんですが、右足の関節がひどく内側に入ってしまい、痛みや痺れに悩まされてきました。現在、拘縮した関節をほぐすため、週2回のマッサージを楽しみにしています。「マッサージはとても気持ちいいです。続けていないと痛みが出ちゃうんです」。

「『ありがとう』の感謝の気持ちを伝えるため手紙を書いています」。/S.K

「『ありがとう』の感謝の気持ちを伝えるため手紙を書いています」。/S.K
内側に入った関節を広げるマッサージや、下半身の筋力低下を防ぐため運動も行います。車椅子に座ってばかりではいけないと、施設内では車椅子を押して自分の足で歩く努力もしています。取材の記念に、お世話になっている施設スタッフの白根さんを交えてハイ!チーズ。自慢の刺し子を披露。手先の器用さとセンスの良さはプロ並み。お部屋の壁にはのびやかで美しい書が飾られています。

感謝をカタチに

食べることが大好きというKさんは、先日、念願の焼き肉店に行きました。施設の入居者さんやスタッフさんと一緒に、カルビやキムチを食べながら、わいわい楽しい時間を過ごしたといいます。また施設では、おしぼりを絞ってたたむなど、日頃から積極的にお手伝いをしたり、周りの人のためにできることをされています。そんなKさんが心掛けていること。それは、いつもお世話になっている施設のスタッフさんやヘルパーさんへ「ありがとう」の感謝の気持ちを伝えるため、手紙を書いて渡していることです。「その時その時で思い出した人に書いているんです」。周りの人たちへ感謝の気持ちを伝え、やさしい気遣いも忘れない。その想いが巡り巡って、これからもKさんの未来を明るく照らし続けてくれるでしょう。