今月の特集
2021年8月31日<145号(2021年9月)>
明日への1歩を踏み出したい
- 担当マッサージ師/てあて在宅マッサージ 相模原 藤井一行・西村歩史
- レポート/てあて在宅マッサージ 相談員 今成光子

透きとおるような白い肌に、柔らかな笑顔が美しいM.Nさん。80歳とはとても思えない若々しさです。昨年2月に右膝人工関節置換の手術をし、なかなか消えない痛みに悩まされながらも、人生のパートナーであるご主人と支えあいながら、明るく過ごしています。
予想外の手術の経過

Mさんは、60歳を過ぎたあたりから膝の痛みに悩まされていました。次第にひどくなる痛みに耐えかねて、右膝人工関節置換の手術をしたのが1年半前です。
「手術をしたら、次の日から痛みもなく歩けると思っていたんです。でもそれは大間違いでした」。
術後の回復には個人差があります。Mさんの場合は少しずつよくはなってきているものの、痛みが続き、1年半たった現在も歩行が困難な状態です。
「小さい頃は運動神経が抜群で、猿みたいに木から木に渡り歩いていたんですよ。今はもう全然できないけれど」と無邪気に笑います。
目標は、スムーズに歩けるようになることです。/M.N

二人でキッチンに立って

手術前は家事をこなし、庭仕事を楽しんでいましたが、現在は家事も庭も、ご主人のサポートが必要です。
「夫は、買い物が嫌いだったのですが、今は進んで行ってくれます。料理の腕前もみるみる上げて卵焼きは本当に上手になりました」。
Mさんの体調が少しずつよくなっているため、二人でキッチンに立って料理をすることも多くなりました。最近は、庭で育てたトマト、ナス、ピーマンなどの夏野菜が、食卓を瑞々しく彩って、明日からの活力を体に与えてくれます。
今後の目標は、最初の1歩がスムーズに出るようになること。
「立ち上がるときや最初の一歩の足を出すときにパッと行かないのがもどかしいんです。早く自然に動けるようになりたいですね」。
本紙が発行される9月1日はMさんの81歳の誕生日。希望に満ちた人生は、まだまだこれからも続いていきます。