今月の特集
2022年6月1日<154号(2022年6月)>
苦楽の先に笑顔あり
- 担当マッサージ師/てあて在宅マッサージ長野 山田信太郎・大崎智晴
- レポート/てあて在宅マッサージ 相談員 盛田美由紀
S.Kさんは昭和21年生まれの75歳。40歳の時にくも膜下出血、その後、心筋梗塞、脳出血など次々と病に見舞われました。病気と闘いながら家業を守ってきたSさんにとって、奥様、そして家族の笑顔が何よりの活力です。
パワーは家族から
子供4人に孫10人。ひとたび集まれば賑やかな笑いが絶えないK一家。その中心にいるのがSさんであり、奥様です。
「一番上の孫が中学生、一番下が昨年生まれたばかり。ここ数年はコロナ禍で集まれないけれど、お正月は大変です。お年玉をいっぱい配らないといけないから」と目尻が下がります。
どの子も優しいジイジとバアバが大好きで、そんな孫たち、家族のパワーが、Sさんにとって、元気の源になっています。
40歳の働き盛りの時にくも膜下出血を発症しました。幸いにも後遺症はありませんでしたが、57歳で心筋梗塞、60歳で脳出血を起こし、その後は左半身麻痺に。人生の半分以上を病と共にする運命となりました。
ケアマネジャーの紹介でてあて在宅マッサージを始めて4年が経ちます。「マッサージを受けたあとは身体の具合もいいんです」とSさん。
いつも一緒にいて、笑って過ごせるって幸せですね。/S.K
大切な人を守りたい
奥様がSさんを一言で表すと「真面目」。大病の後も、朝から晩まで懸命に仕事を続けて家族を守ってきたのです。今でこそ、長男に家業を受け渡し、のんびりと暮らすようになりましたが、当時は、本業だけでなく、地元の消防団にも所属していました。
その時に、全国にも報道された犀川スキーバス転落事故の救助に地区責任者として関わりました。 今でも、遺族会による法要が行われており、Sさんにとっても生涯忘れられない出来事になりました。
Sさんは人望も厚く、若い頃は冗談を言うのが大好きで人が集う場を和ませるのが得意でした。コロナの猛威が去り、また、皆で集まって心おきなく笑い合える日を、誰よりも待ち望んでいます。