今月の特集
2024年8月1日<180号(2024年8月)>
健康に暮らせることに感謝
- 担当マッサージ師/てあて在宅マッサージ福島 宝槻 輝
- レポート/てあて在宅マッサージ 相談員 富野 円
今年の6月1日に88歳になられたS.Kさん。「元気でいられることがありがたいです」と言います。若い頃から苦労をいとわず、信じた道を邁進してきた努力の人です。人生の年輪を刻み込んだ顔は、常に温厚な笑顔で満ちています。
このままでは終わらない
Kさんの仕事人生は、生まれ故郷でもあるここ福島から始まりました。地元で小・中・高校まで学び、卒業後に銀行に就職。その後、自身で稼いだ学費で夜間大学に入学し、経済学を学びました。
「家が貧しくて、高校までしか行かせてもらえなかったんです。大学卒業後は、同じ銀行に30歳まで勤めました。ですが、これで終わるのかと思うとつまらなくなりましてね」。
奥様とは23歳で結婚し2人のお子さんもいましたが、単身で東京へ。営業の経験を2年積み、福島に戻り測量・補償コンサルタント会社を起業しました。
奇しくも高度経済成長時代。不動産業界という狙いが当たり事業は順調に拡大。何十倍という難関を突破して、福島県の第一号の不動産鑑定士にもなり、業界の第一人者として活躍しました。
「感謝しながら生きています」/S.K
目標は健康長寿
時代の一歩先を見抜く才覚で着実に実績を積み上げていたKさんですが、奥様が大腸がんで他界された時は会社を辞めようと思ったと言います。
「運命だと思って乗り越えました」とポツリと呟いた言葉から、順風満帆な人生の陰に、奥様の存在が大きかったことが分かります。
これまで大きな病気もなく健康には自信がありましたが、歳とともに、首や肩の痛みや辛さが出てきて、在宅マッサージを始めました。歩行も不安定になってきているので、下肢筋力のトレーニングや関節可動域訓練も行い、健康的な体づくりに励んでいます。
今年、米寿を迎え、6月1日の誕生日には、たくさんの人にお祝いをしてもらいました。
「米寿になっても生きていられるのはありがたいことだよ」と、奥様の分まで健康で長生きしたいと願っています。