社長ブログ

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社長による「てあて」に対する想いなどを綴っています。

この秋は雨か嵐か知らねども 今日のつとめに田草取るなり(二宮尊徳)

  • 2025年9月3日

近頃のコメ不足もあり豊作を祈っていたのですが、今夏の猛暑・日照りに、一消費者目線で、もう少し雨が欲しいとやきもきしていました。

ところが8月に入り九州を中心に線状降水帯が発生し、かつてない大雨が降ってしまいました。テレビのニュースで一面に広がる田んぼが、一瞬にして水に浸かっている様子が映し出されてとても悲しい気持ちになりました。関係者はどんなお気持ちでしょうか。言葉も有りません。

土砂崩れや田畑が流される自然災害は極端な例かもしれませんが、そもそも人生何があるか分かりません。最初から諦めて何もしなければ、当然実りには繋がりません。
丹精込めて育てた作物が収穫寸前に災害に見舞われ、努力が報われないこともあります。
だからといって、日々の作業に手を抜くことはあるでしょうか。

二宮尊徳の言葉は、未来はわからない、しかし今日、自分がやるべきことは目前にあるその草を一本一本取っていくこと、常に自分の務めを果たそう。という事だと思います。稲作が始まった時代から引き継がれた日本人のDNAには、自然との営みに絶えず翻弄されながらも、決して約束されない未来にも、希望を持って、しぶとく、ずぶとく、したたかに生きる術が備わっています。

誰でも「こうすればこうなる」という保証があることに対しては抵抗なく取り組みます。しかし、何ひとつ保証や約束がなされていないことに対して、進んで取り組む人はなかなかいないものです。「これをやったらこういう得がある」というような、目先の打算的考えや近道を探して楽をする方法を探します。保証されたことばかりやっていると、人間が本来有するしたたかな野性的エネルギーが喪失するのではないでしょうか。

人間の可能性は、果敢に挑戦することで初めて成長するものだと思います。