やりたいこと
- 2010年12月26日
テレビで「就職活動をぶっとばせ」という番組があった。
半導体製造の中小企業が、中小企業ゆえに新卒採用したくても、学生の集まりはよくないという。
「こういう中小企業もあるのだから、もっと中小企業に目を向けて」という主張。
ある大学就職支援担当者がこんなことを言っていて、私も思わず「そうだよな」と共感した。
「確かに中小企業に目を向けると、良い会社は結構ある。
しかし、学生は、就職アドバイザーや企業人事担当者から、
“あなたのやりたいことは ? 入社したら何をやりたい?”
とやりたいことを持つことを要求され、無理矢理やりたいことを作っている。
そのやりたいことには、たとえば“具体的な半導体製造に関わりたい”ということは
(大企業、中小企業別なく) 出てこない。
だから、こういう会社を志望するという発想にならない。
やりたいことを要求することがかえって、学生の就職活動の幅を狭めているように思う」
この「やりたいこと」というのが、結構くせ者・・・
私は連日、専門学校生を相手に面接しているので、一般学生と違って
明確な「やりたいこと(夢)」 があると思って、しつこく質問しているが、
これは酷な質問だったと、大いに反省している。
いくら専門学校生とはいえ
「やりたいこと(夢)」を見つけるのには十分な時間はないし、様々な見聞も情報も不足している。
乱暴な言い方かもしれないが、
言葉で表現できる「やりたいこと(夢)」 なんてなくたっていいのではないか、と考え直した。
てあての経営姿勢に てあての理念に 共鳴して入社する、ということだっていいのではないか。
現場に出て、仕事を通じて社会との接点が出来れば、自ずからやりたいことが出てくる。
就職活動での「やりたいこと」を 求めるのでなく、
それは会社に入ってから 求めるのであってもよいのではないか。
それは、日々の仕事を 真剣に一生懸命やっていけば、
自ずと見えてくるのではないか? 私自身の経験からそう思う。
てあての感動的な仕事に出会えたなら、
きっと、「やりたいこと」 「夢(イメージ)」が、鮮明になってくると思う。
そう信じている。