社長ブログ

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社長による「てあて」に対する想いなどを綴っています。

人の血が36.5度なのは。

  • 2021年11月26日

人の胸には 休みなく動く心臓があり、体の隅々には 温かな血が流れている。
心臓が止まり 血が冷たくなれば、人は死ぬ。
人の血が36.5度なのは、それだけの温かさが、必要なのだ。
『外科医 ポン・ダルヒ』より

「勤労感謝の日」とは、だれが、だれの勤労をどう感謝するのだろうか?
実りの秋、収穫の秋といっても、第一次産業者が、数パーセントになっている現在、人間の人間らしい労働が、われわれの視界から消えてしまってからすでに久しい。多くの子供たちにとって、働く親の姿は、すっかり見えにくくなってしまった。親たちは、通勤する人(勤め人)というイメージのみが強いと思う。 親たちは、子供たちに一定の生活水準を贈りはしたが、働くことの誇り労働の中に燃焼する生の充実 といったものを与えることには、成功しているとは思えない。
勤労感謝とは、月給袋への感謝だけではないはずだ。
国民の大多数が勤め人化して、労働がますます細分化され分業化している社会にあって、医療の従事者は、自らの仕事の出来栄えに対する強い関心、労働の手応え、労働の輝き、そして労働の自立性を堅持できる、数少ない職業である。しかもそもそも、体温を36.5度に保つ労働の対価としての金銭的報酬を、ひたすら志向するにはなじまない。てあては、「やさしい心とあたたかな手」を提供することを理念としている。 創業からの私の思いは、徒弟制度の旧態依然とした鍼灸マッサージ業界に、新風を巻き起こし、国民の期待に応える業態を確立することによって、爽やかな、意欲あふれる施術者の活躍する舞台と、そして手技療法の明るい未来を創造することにあった。
この理念を実現するには、理念に共鳴する社員のみと共に、「誰のための会社にするのか」 を 大いに議論したいと思う。 働く者が幸せにならなければ、温かさは提供できない。