社長ブログ

社長ブログ

社長による「てあて」に対する想いなどを綴っています。

アンパンマンの思想 正義とは けっしてカッコいいものではない

  • 2024年5月16日

みなさんは、アニメの「それゆけ! アンパンマン」をご存知ですか?

私は、25~30年前頃、息子と一緒に夕方放映されるアンパンマンを、
夢中になって見ていたので良く知っています。

実は、在宅マッサージの仕事をスタートさせてから、アンパンマンを思い出すようになりました。
アンパンマンはお腹がすいている人がいると自分の顔を食べさせて、
その人を空腹から救うという自己犠牲から成り立った正義の味方です。
頭は大きく2頭身、カッコいいところは何一つありません。
それでも、だれもが認める大ヒーローです。

アンパンマンの作者やなせたかしさんが、このマンガを描いたのは、53歳か54歳のころです。
その年になって子ども向けのヒーローを描いた彼の心境が分かるようになりました。

彼は戦争体験から、正義という言葉と、実際とのギャップを痛いほど知っていました。
だから彼の考え出したヒーローは自己犠牲、
つまり、自分を犠牲にしてまでも困っている人を助けることができる人であり、
正義とはけっしてカッコいいものではない、ということを子どもたちに伝えたかったのだと言っています。
貢献心と置き換えてもいいかも知れません。
純真無垢な幼い子どもは、冷徹な批評家でもあり、本質を見抜くのです!

寝たきりの高齢者の家一軒一軒を訪問し、
患部に手を当てながら気を込めてマッサージを施すマッサージ師とアンパンマンの姿が私には重なって見えます。

アンパンマンのようなマントを着け飛んでいくことはできませんが、
靴の底をすり減らしながら、体力の許す限り、困っているお年寄りの家に訪問を続ける
“正義の味方”マッサージ師が、日本のあちらこちらで見かけるようになったとき、
真の豊かな高齢化社会になったといえるのだと思う。