出版物(島崎/その他)

出版物(島崎/その他)

「てあて」のマッサージ講習会。イベントなど日々の活動レポート。求人、新着情報などをお届けします。

ココロ温まるお話

  • 2022年4月5日
  • 出版物(島崎/その他)

「月刊てあて」151号、152号 みんなの手より

コロナで密を避ける風潮にあって ココロの密はより一層密になって ココロ温まるお話

「在宅マッサージにまつわる感動体験!2022」に寄せられた

ココロ温まる作品をご紹介します。

 

「つなぐ、明日へ」
てあて在宅マッサージ水戸/粕谷 純子

「やさしい心」と「あたたかな手」というてあての会社理念。先日、この理念を体感する出来事がありました。

私の母は、若年性の認知症を抱えています。昨年の冬、通院に付き添った際に、母は私を見るなり「誰?」と言いました。何度伝えても、自分の娘であることを忘れてしまいます。コロナ禍以降、面会制限が続いたことも影響したのかもしれません。いつか、この時が来ることは覚悟はしていましたが…、目の前が暗闇で包まれたかのような心境でした。
落胆していたその時、右手に温かい感触を感じました。ふと見ると、母が私の手を擦っていたのでした。
「寒いですね」と母は、拙い動きで懸命に、私の手を擦り続けます。その手は温かく、母に手を繋がれて歩いた幼少期を思い出しました。あの頃と同じ温もり。母の方が困難を抱えているのに、こうして私を労わってくれる。自分の事しか見えていない私自身を恥じました。
打ちのめされている場合じゃない。私は顔を上げ、母の手を握り返しました。病にも奪えないものがある。例え、忘れ去られ、どんな明日が待っていても、今度は私がしっかりと母の手を繋ぎ、守ろう。そう決心した時、「やさしい心」と「あたたかな手」という言葉が、胸を過ったのです。
母のみならず、利用者様や関係者様の大変さに寄り添い、施術者として貢献できているか。関係する全ての方のお力添えがあって、訪問施術が成り立っていることへの感謝を忘れていないか。いろんな思いが溢れてきました。
これからも生じる憂いや後悔、己の弱さを乗り越え、感謝を忘れずに日々精進して参ります。

 

 

 


「やさしい心と、小さな手」
てあて在宅マッサージ松戸/小池 祐輔

私が幼稚園に通っていた頃、母は胃癌の末期となり、余命宣告を受けていました。
時折、苦しそうな表情をする母の背中を祖母が優しく擦っていたのを真似して、当時の私も、小さな手で懸命に母の背中を擦っていました。「気持ちがいい、ありがとうね」と笑顔の母。
その笑顔が見たくて、ただただ甘えたかった私は、嬉しかったことを覚えています。
その後、胃を全摘し、母の状態は良くなりました。それからも、母にマッサージをすることが多々ありました。
その度に、伝えてくれた「祐輔、マッサージの仕事をしてみれば? 祐輔は上手だから」の言葉が、今の私の原点です。
整形外科院や接骨院に勤め、様々な同志や患者様との出会いの中で、手技や自分の心を成長させることが出来ました。
現在、末期癌の患者様のお宅に訪問することがあり、その時は、当時の母を思い出し、辛い痛みを少しでも緩和できるようマッサージをしています。
「小さな手」を「あたたかな手」に変えて…。