昭島院　豊田美紀

訪問している施設に、幼い頃に脳性麻痺になられた女性がいます。その患者様は、耳が不自由で、四肢も上手く動かせません。
ある日、施設を訪問すると、体幹を固定する特殊な車いすで絵を描いていました。
他の患者様の施術を終えて帰ろうとすると、スタッフの方が「この絵の男性は、もしかして・・・」と私を呼び止めました。
その絵には、3人の男性がクレヨンで描かれていました。眼鏡の男性、おかっぱ頭の男性、もう一人が私だそうです。
「うん、確かに私だ。他にはいない。間違いない！」とその絵を見て確信しました。
なぜなら、3人目の男性には髪の毛が全く描かれていませんでした。私のトレードマークである『ツルピカリン』の特徴をよくぞ観察し、描いてくれました。 恐るべし。

その絵を見ると思わずニヤリと笑っています。私をモデルに選んでくれてありがとうと。とても嬉しくて温かな気持ちになりました。