一本の鉛筆
- 2022年8月29日
- 浦和だより
8月も終盤に入り、過ごしやすい日も増えてきました。
夏の終わりに少し寂しさを感じてしまいます。
さて、表題の件です。
今月の月刊てあてはご覧になって頂けたでしょうか?
「一本の鉛筆」という曲が載っていましたよね?
かの有名な美空ひばりさんが歌ったという曲。
皆さんはこの曲をご存知でしたでしょうか?
私は知りませんでしたが、患者さまの中にはご存知の方もいらっしゃり
月刊てあてをお渡しした時に
「この歌は本当に良い歌なんだよ」 と教えて頂きました
「最近は全然聞かなくなった」
という患者さまの言葉に応える形で後日、一緒に聞いてみました。
美空ひばりさんの素晴らしい歌唱力に私はただただ圧倒されました。
ふと患者さんを見ると、泣いており
「こういう歌は歌い継がれて欲しい」と仰っていました。
♪
一本の鉛筆があれば 戦争はいやだと 私は書く
♪
戦争世代の想いを乗せて歌われたこの曲
経験した世代が歌うことで深みがでているようにも感じますが、
現代の方がその時代に想いを重ねて、、、想いを馳せて歌うことには意味があるようにも感じました。
そして終戦の月に
戦争世代の患者さまの話が私の中を巡ります。
「先生、僕は日の丸特攻隊として出陣する日に終戦になっちゃったんだ。
死にはぐってしまったんだよ。生き残ってしまって、、、死んでいった仲間に申し訳なかった」
と忸怩たる想いを語られた男性
「今思うとバカみたいなんだけど、竹槍で米兵を突き刺す練習をしたのよ」 と明るく笑った女性
「当時は学校でお弁当を持っていない人が当たり前のようにいたのよ。だけど、誰も不幸じゃなかった。
その人を憐れんで不幸にすることはなかった。明日は我が身で誰もが平等だったから。
ないのが当たり前の時代、でも、みんな前を向いていたわ。」
と仰ったエネルギッシュな女性
「戦争なんてね、僕たちの世代だけでいいんだよ。今の人はあんな思いをしなくていいんだ」
と仰った優しい男性
8月、終戦の月
戦争世代から聞かせて頂いた貴重な言葉
私の中を巡り
何かを伝えたい気持ちになりました
「今の人はあんな思いをしなくていいんだよ」
この上なく理不尽を強いられて、受容するしかなかった人が言ってくれる
この優しい言葉を読んで
読んだ誰かの心にも
人を想う優しい気持ちが灯ることを願って、、、、
浦和院 細田でした
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