記憶のカケラを呼び起こして
- 2022年11月29日
- 浦和だより
11月も終盤になりました
車を走行させながら見る景色は赤や黄色に色づき、季節の変化を楽しませてくれています
【写真:別所沼公園】
さて、表題の件です
この仕事をしていると認知症の方と接する機会は少なくありません
しかし「認知症」と一言で言っても『人それぞれで違う』と感じます
そして時々、家族の方が思っているよりも記憶が残っているのではないか?と思わせられることもあるのです
そこで今日は私が経験したことを書いてみたいと思います
こんな方がいました
言葉は発することはできるけど、認知があり
家族から「意思の疎通はできない」と言われていました
確かにそうでした
しかし私は会話にならない患者さまに対して、ひたすら話しかけ続けていました
そんなある日のこと
部屋にある1枚の写真を見るように私は言葉をかけました
すると写真を見てくれたので、更にこう言ったのです
「ご主人は若いころ、随分とイケメンでしたね!」と
(若いころお二人で撮った写真でした)
するとその方は声をたてて笑い
「そうかもね」と仰ったんです
残っている記憶のカケラに触れたような瞬間でした
家族や身近な方が認知症になってしまったとき、どうしても「忘れてしまうこと」「忘れてしまったこと」に目が向いてしまうと思います
でも「忘れていない記憶」も確かにあって
そしてそれはその方にとって何か意味のあることだったりするのかなと感じたりするんです
消えてしまう記憶と今も残る記憶
視覚や言葉で刺激をすれば、残る記憶を呼び起こして
どこか不思議で、そして優しい時間を生み出せることもあるのかな、と思っています
だから私は、この仕事を続ける限り
患者さまの記憶のカケラを探して、話しかけ続けていきます
浦和院 細田でした
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